甦る古伝武術の術理―井桁崩し--その誕生と展開
大先輩稽古人O田さんのおすすめ術理本『甦る古伝武術の術理―井桁崩し--その誕生と展開』を読みました(1回目)。
平成5年出版。
『井桁術理』発見直後の松聲館の技をインタビュー形式で紹介、解説している。インタビュアーはなぜか外人さん。
著書の中で『自分の中で当たり前になった動きはことさら言わない。』とある通り、この本が出てから10年以上経ったいま、当たり前の事として言われなくなった動きは数知れないだろう。
そんな中でこの著書は井桁術理を発見した当時にインタビューした内容である為、『まわさない』ことの大切さを色々な技の解説を通して説明している。
これはかなり大事なことのようで、つい最近まで強調するように発言されていたが、
最近では聞かなくなってきている。
甲野先生の術理に興味があり、実際に稽古を始めた方なら読む価値あり。
『胸を下ろす』は『当たり前の事となったのでことさら強調しない』との記述が出てくる。
これを胸椎、胸骨の操作として解釈して読むと、、、
同じ動きが今までと違って見えてくる。
中島先生からこの話を聞いてますます『見える』ようになってきました。
以前の日記にも書いたけど、人は見たことがない動きや理解出来ない動きは目の前でみても認識することが出来ない(見えない)らしい。
語学の学習でも「正確な発音で話すには、正確な発音が聞きわけられないといけない。」みたいな話を聞いたことがある。
これと同じことが稽古にも当てはまるとすれば、当たり前の事としてことさら言われなくなった動きでも、
井桁以降に稽古を始めた我々は1つ1つ拾い集める必要がありそうである。
幸い周りには先輩稽古人がたくさんいるが、その先輩稽古人ですら当たり前として言わなくなっている事があるかも知れないし。
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