丁寧@東京武道館

17日から夏休みに入っている。
片道2時間の通勤時間がなくなったと思ったら、日記の更新もゆっくりになってしまった。
書きたい日記の東京武道館と半身動作研究会とシステマ黒のうち、今回は東京武道館の話。


Kさんとの稽古で丁寧な稽古は綺麗で通り心地のよい技に繋がるということを感じる事が出来た。
もちろんこれまでも丁寧な稽古は心がけていたつもりだったけど、
「足を1mm上げる動きも漏らさずに。」というところまで意識出来ていたかどうか。
私の目指す技は、受けていて楽しく、気持ちよく、面白い感触の技。
これが丁寧な稽古の先にあるのは間違いないようだ。



ここから先は稽古内容のメモ。

甲野先生の講座なのに周りで稽古ばっかりしていた(笑)
■斬り落とし
I上さん、H川くん、H川さんらと。
みんなのアドバイスを聞いていたら、急激に技のききが増した。
鎌柄の要領で手を下げるまでは良かったが、その後随分とのしかかってしまっていた事に気づく。『追い越し禁止』違反だ。
文字にするとわかりづらくなってしまうけど、
自分にとって良い感じのする空間を保ったまま動くと良いようだ。
そう言えばこの形は、以前恵比寿でIさんと稽古していたものと同じだ。
あのときは『浪之下』で鎌柄の動きからいかにスムーズに技に入るかという稽古をしていたが、
今回みんなのアドバイスで素直に変化出来たのは恵比寿の稽古のおかげもありそうだ。
この後Kさんに受けさせて頂くと、今回の変化のずっと先があるという感触が伝わってきた。
技の向上にはもっともっと丁寧な稽古をしなければならないと言うことが、Kさんの技を通して理解出来たような気がする。
技の理解以上に大切なものを得たか。


Kさんには色々と稽古をつけて頂いた。
■浪之下
これも丁寧に。
足裏の垂直離陸の効果が1mmの無駄もなく相手に伝わるように。


■捧げ持ち崩し
掴まれた手にはめている手術用手袋にしわが寄らないようにするつもりで、腕を引き抜く。
圧力が偏らないように。
私もやらせて頂くが、NGモードに突入しかけてしまう。NGモードとは私が今勝手に呼び始めたもので、技の稽古で自分の駄目な動きが気になって動けなくなってしまう状態のことである。
こうなると稽古を続けても駄目な自分を確認するだけなので、なるべく避けたい状態である。
今回は中島先生の講習会でやった「パントマイム式」でなんとか回避出来た。
腕を引き抜こうとするけど引き抜けない状態(パントマイム)を作っておいて技に入るというもの。
自作自演なので相手の状態に左右されにくくなるのだ。
なるべくKさんの説明を素直に体現したかったが、
NGモード回避の為の苦肉の策であった。
今回はそれが良かったみたい。ふう。


■正面の斬り
これも身体のあらゆる箇所が連動して動けるように。
この形で崩されかけて力まないのは難しい。
恵比寿の稽古でもやったが、力むくらいなら素直に崩されたほうがいいだろう。
K籐さんのを受けるが、強烈な感触に反応して無駄だとわかっていてつい力んでしまう。


■杖での説明
身体中を参加させることの効果を杖を使って説明。
ものすごく納得した。
・杖を片手で上下方向に動かす
一方向の力。これは単純な力で受けていても抵抗しやすい。
・上下方向に押す力に加えて、もう一方の手で前後方向に引く
二力の合成。一方向の力に比べると力の出所がわかりづらくなり、止めにくい。
・引くのに加えて、左右に動く
三要素同時進行。上下、前後に加えて左右の方向が加わると接触面の感触ではこれを分解して感じ取ることは難しい。

そして、人間の身体は単純に関節の数を数えただけでも3要素同時どころではないという話。
うーん、なんて説得力のある説明なんでしょうか。
ふかーく納得。


■辰巳返し
勢いを使わず、いかにスムーズに動けるか。
甲野先生が以前「山の裾のが広がるように」という説明をされていた。
ここでも丁寧に動くことが大事。


■腕の上で腕立て伏せ
筑波稽古会でやっているという稽古を紹介して頂いた。
一人は座りで肘から先を曲げて腕を前に出す。
もう一人はその腕の上で腕立て伏せをする格好をする。
座っている人が力んで耐えている場合と、力まずに姿勢だけを保っている場合の感触の違いを腕立て伏せをしている側が感じ取る。
感じ取れたら座っている側の人は楽な姿勢で相手を乗せたまま立ち上がる。


■甲野先生
おっと、肝心の甲野先生の話が出ていない(^^;

最近みなかった止めようとする相手の前を手刀が通り過ぎるという技を受けた。
当然本気で止めに行くが触われない。
ただ「この人の場合は速そうな感じが伝わってくる。」と言われて、先生も少しモードを変えてやられていた。
変わって次は手を予め前に出して待ちかまえている格好。
必ず先生の手刀に触れるので、そこで止めるというもの。
何人かが受けていたのを見た後だったので、それなりに対策を練ったつもりだったけど全く止められず。

浪之下では結構粘ることが出来て、(対甲野先生受けの)上達ぶりを確認して貰えたようで取りあえずは良かった。

そうだ。
この日の先生は杖を鉄棒代わり(2人が肩で担いで支えている格好)にして、足先を引っ掛け、背屈の力で蝙蝠のようにぶら下がっていた。
あれをやろうと思ったことも無かったしもちろんやったことも無いので、
あれが難しいのか意外に簡単なのか想像がつかない。
どうなんでしょう!?

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