講座か稽古か@東京武道館

東京武道館で行われた甲野先生の講座の話。

起倒流柔術の研究をされている斉藤氏が参加されていた。
先生の技を受ける様子で何となく斉藤氏だなと感じていたが程なくしてご本人だということが確認出来た。

この日も(意図的ではないが)先生にはあまり近づかずに常連の方々と先生を囲む輪の外で稽古。
途中で斉藤氏の奥さんに声をかけられて一緒に稽古したが、
これがきっかけで斉藤氏に色々見て頂くことが出来た。
後にスーパーアドバイザーと呼ばせて頂いたが、斉藤氏のアドバイスは今の動きの一歩先を的確に指摘するというもの。
ここぞとばかりに色々伺った。

・片手を押さえられたとき@座り
→背中を丸めて相手の肩に自分の肩を寄せてから立ち上がるように状態を起こす。
・肩を両手で押される状況@座り
→相手が押す力の方向に対する姿勢が強くなるように背中を丸める。
・跳ね吊り
→相手と自分の間に一人いるつもりでその人を膝かっくん。
・E木崩しや背落としのような形
→肩胛骨の間を広げて、背中と腰も表面積が広くなるような感じにして、後ろに倒れないように膝を柔らかくする。それでしゃがむ。掴まれた腕を上げる時、肩・肘を楽にすると簡単にあがるが、肩にはまだ自由になる余地があった。(肩を後ろに持ってくる感じ)

講習会後のファミレスでも色々と伺った。
・浪之上@座り
相手の肘より下に肩が入ると簡単に持ち上がる。
押さえられた手をごぼうを抜くように引っ張りあげる。
このとき肩で引っ張りあげると止まる。肩胛骨から引っ張りあげる。

・斬り落とし@座り
腕と身体の距離をかえずに動く。
背中を丸める。背中が下がることになるが肩はあげない。
背中を丸めても前かがみにならないように背中を後ろに引く感じ。
肘を少し引くようにすると身体との距離を一定に保つことが出来る。

・指相撲
負けた状態から抜けるというもの。
押さえる方は両手の親指でしっかりと相手の親指を押さえる。
上腕二頭筋を使って親指を操作するとするりと抜ける。


この日ほとんど全ての稽古でアドバイスを頂いた斉藤氏は朝日カルチャーで中島さんと講座を持っていたり、江東友の会という稽古会を主宰していたりする方。
起倒流柔術を研究されています(伝承されたとか習ったわけではないらしいです)。
今度遊びに行かせて頂きますと言ったが、参加には事前連絡と空手着が必要ということなのでまずは空手着を購入しなくては。


この日は九州の宮崎から来たという中学校の教諭されている方が参加されていたが、
甲野先生の事を全く知らず(顔もわからない!)に参加されたという珍しい方。
誰だかわからない人の講座に九州から来る気になれましたね!と驚きながら聞いたところ、先輩にとにかくすごいから行ってこいと言われて来たそうな。
だからって本当にくるなんてなんて素直な人だ!と思っていたら、
その性格印象の通りとっても素直な方で、技の工夫の説明をする甲野先生に向かって(九州なまりで)、
「四六時中技のことばーっかり考えてるんですか!?」
「24時間そんなことばかり考えてるんですか!?」
と言いながら純粋に驚かれている様子が印象的でした。
最後は「全然知らなかったけど来てよかった」と言われていて、私まで嬉しくなってしまいました。
なかなかお会いできそうもないけどまたお会いしたい方です。


そうそう、甲野先生の技の話も書いておかなければ。
随感録にも書かれていたが、大きな気づきがあったとのことであった。
先生が言うには、跳ね吊りで自分より何10キロも重い人を後ろにとばせるのに比べて、
剣を振るときにはそれが何も活かされていないことに気が付いたところからの発展との事。
先生の説明でついていけるのはこの発想の部分まで。
受けた技はちょっと私の感覚ではわからなかった。
「柔」か「剛」で言えば「剛」ですかねー。
片手対両手で吹っ飛ばされます。

コメント