柾目返せそう@半身動作研究会

先週参加した恵比寿の稽古。
中島先生の「杖をやります。」という宣言通り、杖。

まず基本的な話から。
杖ははじっこを持ってなるべく長く使えるようにする。
松聲館では、『杖』は滑らせる。

・上段からなぎはらう形。
・杖での突き。

突きの稽古から、相手が杖を掴んだ状態で突きの動きをすると、
相手は杖を止められず崩されてしまうというもの。
手だけ動くようにすること。肩や肘が参加すると止められる。
手だけ動かすということは、身体は前のめりになったりしないということ。
そのためには身体はむしろ手に押されて逆に動いてしまうくらいの不安定な状態にしておく必要がある。

ふと、道場の壁に手をあてて自分が倒れるという稽古をしている方が目に留まった。
手で身体を押し返す動きの中で上半身が前のめりになると言うタメの動きが出てしまっている。
真っ直ぐ立った状態から始めると手を触れた途端に後ろに倒れるはずという話をして、再度やってもらうと壁への触れ方がかなりソフトになった。
試しに正面押しをやってもらうといい感じだ。
しかし本人は「???」という反応。
何度かやるがいい感じとだめな感じが両方出てくる。
いい感じの時は「手応えがなくて思い出せない。」という感想が出てきた。
だめな感じの時は「いまのは力んでました。」という分析が出来はじめてきていた。

最後まで出来た感じが無いのが不安だと話していたけど、
その感覚を一度味わえば、力んだ動きに違和感が出てくるまでもう少し。
素直に取り組んでいたしそのうちヒョイと動けるようになるでしょう(なんてえらそう?)。


■柾目返し
この日一番の収穫はIさんとやった『柾目返し』。
お互い正座で向かい合い、膝の上に置いた手を上から押さえてもらう(片手)。
形としてはそこから相手の手を上にあげつつ、相手を後ろに崩すというもの。
しかし見た目と違って、上方向にあげようとすると全くあがらない。
あがったとしても単なる力技になってしまう。
なんでも押さえられた手は上ではなく、前に出すらしい。
すると相手が動くのでその動きについていくと相手が崩れる。
相手が崩れるので結果として手があがってくる。
というものらしい。

いままでずーっとずーっと上方向の誘惑に勝てないでいたが、ついに糸口が見えてきた。
『真っ直ぐ前に出すと相手が少しだけ動く。動きについていくと後ろに倒れるので結果として自分の手で相手の手をあげたようになる。』
ということだったのである。
あらためてこう書いてみても、以前から説明を受けていることと同じなのだけれど、
身体が理解するとはこういうことだから仕方がない。
あー、これでようやく柾目返せそうな気がしてきた!!

あとは皮膚系の稽古の落とし穴の確認。
皮膚の稽古をやっているつもりで、実は接触面がおろそかになってしまうことがあるので要注意。
体幹が働いていたり、相手の中心を取っていたりすると接触面の圧が多少変化しても相手が崩れてしまったり。
初動の動きを大事にする皮膚の稽古では、途中で”相手が”とまったらやり直したほうがよさそうだ。
後は、この稽古は間を置き過ぎると感覚が鈍ってしまうようだ。

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