平根鏃(やじり)の原理@池袋コミュニティカレッジ


ちょっと遅れて参加できた甲野先生の講座@池袋コミュニティカレッジの話


■平根鏃(ひらねやじり)の原理
講座後の随感録でも触れられている(http://www.shouseikan.com/zuikan1005.htm#3)最新の気づき『平根鏃(やじり)の原理』。
気づきの順序は、斜め→ギロチン→平根鏃(やじり)らしい。
主に『正面の斬り@座り』の形で説明されていた。
説明に用いていた言葉は主にこんな感じ。
・相手に向かわない
・相手を狙っていない
・巻き添えをくわせる
→相手は自分のことではなく隣の出来事のように思っているから対処できない。

●見た感じ
相手に向かわないという説明の通り、先生は相手とは正面で向き合わず肩口の方向に向きなおしていた。
肘が鏃(やじり)の先端で折り畳まれた状態の肘が先行し、
相手に触れるとともに肘の角度(鏃)がひろがっていくようだ。
「相手に向かわない」とは、”動作の方向”のことで相手にとっては矢の向きが自分を向いていないと感じる動きのことか。
「巻き添え」とは、”腕と身体の開き”のことで、矢が通り過ぎると思っていたらこのひろがった鏃(やじり)に巻き込まれてしまうということではないかと思う。

●受けた感じ
先生の説明では矢はあくまで相手をかすめるように飛んでいくということであったが、
受けてみた感想としては鏃(やじり)が広がる過程で矢の向きがこちらに向いているようだった。
そういえば「矢が曲がる」というような話もされていたような気がするが、ちょっと思い出せない。
久しぶりにかなり派手に吹っ飛ばされた。
関係ないけど池袋の常連の方が(吹っ飛ばされた)私の受けに感心していた。
何が良かったのかわからないけど、感心してもらえて良かった(笑)

池袋の講座は実演もあるが、講義形式になっているので私もここではその場でメモを取りながら聞いている。
この日の先生は自分でも調子が良いと感じていたらしく、
講座の途中で、「今日は喩えの調子がいいな。メモを取っている人に後で聞いてみよう。」
などとまわりでメモを取っている人を見ながら発言された。
その中には私もいたため、そこからはいつになくたくさんメモを取ってしまった。


せっかく取ったのでメモのご紹介。
■上体おこし
この形は身体に負荷を感じない。
トレーニングするというが、その目的はなにか?
・身体の使い方の向上か
・単に筋力をつけることか
仕事として身体を使うときはなるべく負担がかからないようにする。
転倒してけがをした選手に向かって筋力不足、ストレッチ不足という指摘は的を外れている。これは受け身が下手なだけ。
・あるところでストレッチ前後の運動能力を調べたら、ストレッチ後に動きが衰えたという結果が出たという話。

■キャスター・風見鶏の原理
斬りの形、タックル潰しの形
・相手に対して反応してはいけない。
・身体を装置化して扱う。
『犬が西向きゃ尾は東』
『シーソーが上下するのを反応するとは言わない』

■ラオスの虫取り名人
虫を追いかけて橋の手すり部分(?)をスタスタと歩いていったという虫取り名人の話し。
・網の部分に空気抵抗があるので刀とは異なり、手は寄せずに離して持つ。槍のように扱う。
・名人の網の使い方は、両手で持つが片方の手は動かさずもう片方の手で網を操作するのだという話。

■太刀取り
相手の刀を正面から受け止めるくらいのつもりでギリギリまで待つ。
形を見て動きを真似しても相手あってのもの。
U田さんからアドバイスをいただいたが、ゆっくりとした動きでの稽古、
あるいは止まった状態で相手との位置関係や自分、相手にとってどのような状態にあるかを検証する稽古が有効。
確かに形を追ってスピードをあげたところで、相手に斬られる位置に素早く飛び込んでしまってはどうしようもない。
と書きつつ、先生の足運びをメモってしまった。
形先行になってはいけないので足運びのメモは非公開にしておきます(笑)

■片手辰巳返し
相手を肩車する感覚
動き始めた時には相手が完全に崩れていなければならない。
誘われやすい形。人間ジャッキと原理は似ているが、誘われやすさが違う。
『気にしない技術』というのもなかなか大変という話。

メモはここまで。

講座後は参加者でお茶。
ライブハウスのIFさんと初のリアルでトークが出来た。
もっとお話したかったので次にお会いするのが楽しみ。

ご一緒していただいた参加者のみなさまありがとうございました!

そう言えば『ギロチンの原理』から『平根鏃(やじり)の原理』への変化は、
綾瀬の講座での私の受けが関係していることを付け加えておこう!
(先生はあの日の後、お風呂に入りながら考えてピンときたそうです。)
もちろん私だけが関係しているわけではないのでしょうけど。

追記:
写真追加しました。
形状別:左から4本のとがった鏃:征矢(そや)
真ん中4本の三角の鏃:平根(ひらね)
右3本の二股の鏃:雁股(かりまた)
です。
これもメモってました(笑)

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