スティック@システマ

『当たったら痛いから動き続けるでしょ。』

というのはセミナー途中でインストラクターの北川さんから聞いた話。
確かにそうだと実感したシステマセミナー@スティックワークに参加した話。

■マッサージ
武器に慣れる。
武器との接触に慣れる。
武器の操作に慣れる。
スティックで相手をマッサージ。
はじめは軽く当てる。
慣れてきたら強めに当てる。
あくまでも相手をマッサージでリラックスさせるつもりで。
痛いから骨には当てないこと。
ダメージがたまっている事があるので同じ箇所は続けて打たないこと。

■振りおろす・避ける
武器による攻撃からの緊張を解くトレーニング。
頭の上から左右に振りおろされるスティックを普通の速度で歩きながら避ける。
歩く速度は普通の速度。
避けるのが目的ではなく、自分が緊張しているかどうか感じながら動くこと。
発生した緊張を呼吸で取り除いてみる。


ここからは攻撃を避けずに受け流すドリル
■振り回す@縦・受ける
上方から振りおろされるスティックを腕で受け流す。
柔らかいところに当たるようにスッと腕をあげる。
「カンッ!」「ゴツ」
何度も痛い思いをしながら何とか感覚を掴むことが出来た。
思ったよりも上に伸ばす感じで受けないと、衝撃を骨で感じてしまう。
うまくいくと「ペチッ」という感じがするだけで、スティックが腕と一緒に落ちていく。

■振り回す。弱め@横
これも腕で止めにいったり、掴みにいってはならない。
腕と身体全体で受けるようにすると何とかなる。
はず。

■振り回す。かなり強め@横
北川さん「次はもっと速く振り回して下さい。ここまでで何か質問はありますか?」
私「中段でなぎ払われるとダメージを吸収するのが難しいのですが。」
北川さん「まずスティックの動きに対して、正面で受けること。それから受けた後も足を止めないように。」
私「はい。」
(北川さん、スティックをブンブン振り回す。”ぶつかったら痛い”ではすまないような勢い!!)
北川さん「ちょっとやってみますか。」
私「え?そこに私が行くんですか?」
話の流れからして私が行くに決まっているのですが、思わず確認してしまった。

とにかく呼吸を忘れずに正面を向くようにして動きを止めないように。
北川さんもはじめは私の様子をみて、弱めに加減してくれた。
これを感じ取り、私はさらにリラックスして動く。
それを確認すると徐々にスティックは速く、強く振り回されていく。
それを正面で動き続けながら受ける。
動き続けているせいか、思っていたよりも衝撃を受けない。

後で周りでみていた方の何名かから、「あれはきれいに受けていましたね。」と感心された。
確かに傍目には私が華麗に受け止めているように見えたかもしれないが、
実は北川さんのスティック捌きが見事。
当たる直前に深刻なダメージにならないようにスティックを操作されていた(それでもまともに当たれば痛い)。
北川さんのアドバイスで私が上達したのは私自身も感じたが、
それ以上に相手をみてドリルの加減をコントロールする北川さんに感心した。

『当たったら痛いから動き続けるでしょ。』

思っていたよりももっともっと動かないとならなかった。
受けたと思ったあとも止まらずに動き続けること。
リラックスして動くというイメージから落ち着いて”ゆっくりと”受けるのだと思っていたが、
速いスティックを受けるのにゆっくり動いている暇はない。
落ち着いて走ると言った方がしっくりくる。
もっと技術があがればそんなにずーっと急がなくても大丈夫なのかもしれないが。
けっこうなスピードで動き続けないと速いスティックを柔らかく受け止めることが出来ないのだ。


■エクササイズ
杖を持って寝たり起きたり。
両腕を絡ませて、縛り付けられたような格好から寝たり、起きたり。
この格好になると力んでも無駄。動きを工夫しなければスムーズに動けない。

■相手の状態を感じて動く@相手がスティックを持つ
スティックを持ってもらい、スティックを動かすことで相手にどのような変化が生じているかを感じながら動く。
どうも納得がいかない動きが多かったが、参加された方が見せてくれた動きが”相手の状態を感じて動く”というものになっていてとても勉強になった。
どうしても崩そう崩そうという動きになってしまう。
次の機会ではもっと”どう動くときに相手に作用するのか”というのを感じられるようにしたい。

■相手の状態を感じて動く@自分がスティックを持つ
自分のスティックを取りにくる相手の動きを感じて、相手を崩す。
・発想の転換。わざとスティックを取らせて相手のバランスを崩し、その他の手段で相手を崩す。
・スティックを取ろうとする相手の意識を感じ取り、相手よりも先に相手を制するように動く。うまく行くと相手は動けなくなる。
・スティックを取ろうとする相手の意識を感じ取り、スティックが元の位置から相手が動く方向に遠ざかる。うまく行くと相手はそのまま崩れる。
道具があることでいかにそれに捕らわれてしまうかという事と、
それに捕らわれすぎることがいかに危険かということがわかるドリルであった。
今回はスティックだったが、ナイフでもチェーンでも同じことが言える。
無視は出来ないが、捕らわれてもいけない。
忘れてはいけないのは、相手の攻撃意識を感じ取って動くことが出来たとしても、その後の動きが止まってしまうと相手の動きも止まってしまう。
”動き続ける”の原則はここでも厳守すること。


この日だけでこんな体験が出来るとは!
北川さんをはじめ一緒に参加した皆様、ありがとうございました。

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