甲野善紀「武術の実演と解説」@東京武道館

東京武道館で行われた甲野先生の講座の話。 
最近は色々なジャンルの方が参加されてとても面白い。 
ちなみにこの日、隣の会場には外人のかたがたくさんいた。 
と思ったら初見先生の稽古であった。 
こちら側にも両国からお相撲さんが参加されていて、どちらの会場も大変盛り上がった。 


■虎拉ぎ(とらひしぎ) 
この日紹介されたのは、「虎拉ぎ(とらひしぎ)」 
様々な場面で有効だが、効果はインスタント。教わってやるとその場で効果がでる。 
といっても、個人差があるようで足までのつながりを感じられるかどうかはわからない。 
やってみると、肩が下がり、背中が下り、股関節がしっくりくる。 
この股関節周りの余計な緊張がなくなる感じが、下半身に繋がった感じか。 
作用は強烈で、応用範囲も広い。 
・ニーオンなんとかから逃げる。 
・横四方固めから逃げる。 
・袈裟固めから逃げる。 
・アキレス腱固め(かける直前)から逃げる。 
・腕拉ぎ逆十字(かける直前)から逃げる。 
・柔道技を返す。 
甲野先生と言えども、関節系の技はかけられる前に返す必要があるが、力士の方や総合格闘技、柔道をされている参加者から逃げて見せていた。 


■浮き 
「虎拉ぎ」と並んで言われていたのが「浮き」について。 
浮きつつ沈むとタックルを止めることが出来る。 


■辰巳返し 
座りで手のひらを床につけ、相手に両手で腕の手首よりのところを掴んでもらう。 
相手は腕が上がらないように相手の腕に体重を乗せる。 
140kgの力士の方を相手に技をかけていたが、すんなり持ち上がっていた。 
自分も試させてもらえば良かったな。 


■浪之下 
しばらく相撲の方や総合系、柔道の方とのやり取りを見ていていたが、 
ちょうど先生と目が合うタイミングがあり、技を受けることが出来た。 
簡単にはやられまいと思い、腕を掴む。 
「この人は色々考えてこういう持ち方になっている。」 
「これだと今までのやり方ではなく、、、」 
「これは今初めて試す動きですが。」 

見事に崩された。たいていの動きにはついていける状態だったと思うが、一瞬のうちに先生の身体全体が動き、 
その動きに遅れることなく掴んでいる腕も動く。 
ついていけるつもりでいた自分は全くついていけず。 

「今日稽古会をやってきて、今のが一番の気づきですよ。」 

あっさり崩されてしまったけど、こう言われたのなら講座に参加したかいがあった。 


■太刀取りの動き 
I上さんと。 
最近読んだ城間先生の著書「手を使う!」からヒントを得て、脳内稽古していた体捌きを試す。 
甲野先生が太刀取りの説明で「頭を残す」「足を回収する」と言われていた意味少しがわかった気がする。 
「重心の移動が先。身体は重心の移動についていく。」 
これが今の感覚。 
I上さんも太刀取りがお好きなようで、二人で「面白い。」「面白い。」と言い合って、面白かった。 

ウッチーさんと。 
講座後の受付エリアでちょこっと稽古。 
感覚面のアドバイスを受けたがこれがまた面白い。 
言語かが難しいが、相手を捉え続けるというかコントロールし続ける感じ。 
・相手の胸に手を当てて、相手の状態を感じるようにコントロールする。 
・相手の胸に手を当てずに、相手の状態を感じるようにコントロールする。 
・相手の状態を感じるようにコントロールし続けながら相手の中に入る。 

「入る」と言ってもコントロールしている状態で近づくということであって、必ずしも相手の正面に行く必要はない。 


■立ち技系 
詠春拳をされているという初参加の方、Wさんと。 
立ち技に興味ありとのこと。 
浪之下、斬り落とし、払えない突きなど稽古の相手をしていただく。 
「もっと参加者同士で稽古出来たりするといいんですけどね。」とWさん。 
「甲野先生の講座では、稽古したくなったら私のように迷惑をかけない範囲で稽古してていいんですよ。」 
お互いぜひまたお願いします。ということで今後お会いしたときは色々と稽古&情報交換させていただけることとなった。 
楽しみである。 

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