手裏剣試行錯誤(水天宮自主稽古会)


偶然、タイミングが合って中島先生と遭遇。
近いうちこの水天宮で講習会を開く事になるらしい。
少人数なら稽古出来るスペースだし、駅からも近い。
稽古場の下見に来た中島先生は、Oさんと外へ。

さてこの日も一人稽古、手裏剣である。
前回の気づきにとらわれず新たな気持ちで向かう。

これは手裏剣稽古、試行錯誤の記録です。
打ちながら考える。

--しばらく打つ--

ちょっと気づいた事がある。
・近間では「はなれ」をやや身体の前の位置で行う
ということ。
しかし近間で検証を続けて、そのまま距離を伸ばしていこうとすると、また違う。
どうも「おさえ」が効いていない。剣が回転し過ぎてしまい刺さらない。
手裏剣術での「おさえ」とは手裏剣を回転させない制御の事。
私が取り組んでいるのは、『直打法(ちょくだほう)』なので、回転は90度。
剣先が上を向いた状態で手を離れ、ちょうど90度だけ回転したときに目標に到達していれば、刺さる。
回転があわないと刺さらないので、的をねらう以前に刺さるように練習しなければならない。

ちょうど刺さるだけの回転を与えるのだけれど、距離が変われば加減も変わる。ここに技術が必要なのだ。
近ければ短い距離で、遠ければ長い距離でそれぞれちょうど90度だけ回転させなければならない。

これまでの練習である程度の刺さるようにはなっていたが、この日もとりあえず打ってみて考える事にした。
打つ前に迷わないという稽古の仕方は、韓氏意拳の稽古に通じるところがある。

--またしばらく打つ--

ちょっと、近間の場合は『直打法』とは言えないのではないかと思い始めた。打つではなく投げてしまっている感じがする。
もっとこう、手裏剣がシュッと手の内を通り過ぎる感覚がほしい。

--で、また打つ--

斬りのような打ちになってきた。
これだと近間よりも中距離(2間程度)がしっくりくる。軌跡も直打法独特の90度回転が美しい。

数を打てる環境ではあるが、集中を保つのは難しい。
集中が切れたら甲野先生の動画で手裏剣術を確認する。
年末にスマホに変えたが、ここで役に立つとは。
便利な環境にあることに感謝。


距離を変えて、当たり前のように的にさしているが、この技術はすばらしい。
威力はともかく剣先が的を向くようにならなければ次の段階に進めない。

続けていると、近距離で直打法の感覚が少し出てきた。
手の内で剣を滑らせる距離をごく短く、より垂直に近い場所で「はなれ」を作る。
「おさえ」を効かせすぎないで、あえて回転しやすくする感じか。

--こんな感じで距離を変えながらひたすら打つ、確認するを繰り返す--

距離を2間半ほどとるとちょうど刺さる感触が掴めてきた。
しかし面白い。
やればやるほど距離がどんどん伸びていく。で、近い距離でさっきやったように、、、とやってみるが刺さらない。
遠い距離用に身体が動いてしまっているのだ。

さて、どうするか。
・刺さらない近距離で試行錯誤を繰り返す
・刺さる位置で打ち続ける
私は後者を選んで稽古する事にした。
刺さった方が楽しいに決まってるからだ(笑)
というのもあるが、刺さる感覚を味わうというのが一番稽古になる気がしたのだ。

ひたすら打つ稽古法を見つけた。
・打つ
・刺さった剣先を見る
・下を向いていれば90度以上回転してしまっているので、次は距離を縮めて打つ
・上を向いて入れば90度以下の回転なので、次は距離をあけて打つ

そんな事を3時間ほど続けていたら、水天宮稽古場で取れる距離のほぼめいっぱいの距離で刺さるようになった。
短足の私で8歩くらいの距離だから、6m弱か。3間はあると思う。
動画の甲野先生も8歩分あるいているが、歩幅が大きいように見えるので少し短い距離だろう。

この距離が刺さると、もう超楽しくなってくる。
終電さえなければいくらでもやっていたい。

ここ最近の2回の稽古で的がボロボロになってきてしまった。良く剣が飛んでいく下側のコルクマットは次でもう使えなくなってしまいそうだ。車のタイヤのようにローテーションさせなければ。
あっと言う間に3時間。終電が気になり始めたので仕方なく終了。

なんかすごい上達した気がします。
一人でやってるからダメ出しされないせいかも知れませんけど。

コメント