武術稽古の成果を発揮する場(2)

ストレスへの対処法だった。 

また長くなるといけないので結論から先に書こう。 
第一に『睡眠』、第二に『姿勢』だ。 

朝出勤しては深夜残業のタクシー帰りという生活を繰り返して感じたのは、寝ないで働くことは出来ないという、ごく当たり前のこと。 

当たり前なのだけど武術稽古のお陰か、身体の状態がいつもとどう違うのか、はっきりとわかるようになった気がする。 
はっきりとわかるので迷いなく判断することが出来る。 

ピーク時の状態は頭がフラフラとして目が開けられず、起き上がって活動する準備が出来ていないのを感じた。 
差し迫ったときにこの状態でも動けるのが1つ武術の効用とも言えるのだろうが、今はその時ではない。 
身体の声の通り休んで、早くまともに動ける状態にするのもまた正しい対処と言えるだろう。 

姿勢も大事。ストレスは腰に来る。 
強いストレスを感じると無意識に身体を丸めてしまう。誰でもそうなるのかは知らないが、自分を観察してみるとその傾向があるようだ。 
布団のなかで横になって丸まるなら良いが、重力を垂直に受ける状態で身体を丸めるとその負担が腰に来るのだ。 
前々回の職場でぎっくり腰になったが、今思えば一番長い時間を過ごす職場での姿勢に問題があったように思う。 
対処方法は腹圧をかけて体が丸まるのを防げば良い。これだけで、負担は随分と違ってくる。 


睡眠と聞いて、忙しいのに休むなんて! 
と思うかもしれないが、一日休むだけで影響があるなら、なおさら万が一倒れて何日も休むような事態は避けなければならない。 
そうも言えない職業もあるかと思うが、一度冷静な時にどうするのが一番良いのか考えておくと良いと思う。 

これらはあらためて考えると当たり前の事と思うが、特殊な環境下ではなかなか当たり前に感じて、それに従って行動するのが難しかったりするのだ。 
私はどうしたかと言うと、会社に連絡した上で昼過ぎまで思いっきり寝て、出社した。 
寝て起きた後は頭もクリアになって、いつもの通り働く事が出来たのだ。いなかった分、回りの人に負担がかかってしまったがそれについてはお互い様だから感謝すれば良い。 
本来はこうなる前に身体の声を聞いて、予め体調を整えることが出来ると善いのだけれど、忙しい時期に一見元気な人が休みを貰うのはきがひけるだろう。 

今の職場に限らず、頑張り続けた結果、身体や心を病んでしまう人が少なくない。 
はっきりと思うが、そこまでやらなくて良いし、やってはならない。 
危険な状態を回避するのが武術の効用なら、働きすぎで倒れるのを避けるのも武術の効用と思う。 

武術をやっていなくても同じですけどね。 
無理は禁物。 
禁物だから、やってはならないのです。

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