6方向『空気投げ』

恵比寿での稽古。

柔道有段者のIさん(忍者ではないIさんです)を発見するや、早速柔道稽古に付き合っていただいた。

このIさんの対『浪之下』受けの上達ぶりが激しい。
しばらく見ていなかったが、方条さんの全力をどノーマルな受け方で耐えてみせた。
対『浪之下』用に開発された『井上持ち』なしであそこまでしっかり受けているのを見たことがない。
怖いもの見たさで(?)試しに私も挑むが五センチも沈まない(笑)
ちょっとずるをして『謙譲の美徳』で身体全体を崩してからかけると多少行けそうな感じは出るが、感じだけで実際には沈まない(笑)

そのIさんや常連のSさんに先日の千代田で稽古した柔道技の数々を受けてもらいながら、試したかったこともいくつか。

全方向『空気投げ』に向けて、後隅への『空気投げ』。
これは相手がこちらを引く動きを察知して、その動きに乗って相手を後隅に引き出して崩し投げる形。
このタイミングが取れるかどうかは別問題としてあるが、約束した形の中では技になっているようだ。
これで二方向目。
続いて千代田で江東友の会Sさんに教わった右後隅への『空気投げ』。この形では飛ぶように投げられる感じがでなかったが、足も腰も使わずに投げることが出来るので文句なく『空気投げ』である。これで三方向。
右隅への『空気投げ』も試した。
横移動の動きに乗るのは、前後方向の感覚と同じ。
少し引き出して沈むと相手が崩れるので、そこに中心を外さないように向き合いつつ身体を回旋させて投げる
これで四方向。
理論的には左右の組手を入れ換えたら左後隅と左隅のプラス二方向で、合計六方向になった。

『謙譲の美徳』コントロール
相手の身体全体を動かすことが出来る強力な身体の使い方ではあるが、一方で加減が難しい動きでもある。
相手の状態によっては、身体全体は移動したが崩れていないという事もあり得る。技に入ることを考えれば出来れば腰から崩したり膝から崩せるようになるのが望ましい。
これも上手くいった。やってみると単純で股関節を弛めれば腰から崩れるようだった。
『謙譲の美徳』の良いところは相手だけ前に崩れてくるところ。揺さぶりをかける動作のように自分が激しく動く必要はない点もある。

足でやるのも効果あり。
ただ上半身が崩れないので連続技で追い込む必要がある。

『腕を突っ張って距離をとる相手を崩す』
千代田でも確かめた形だったが、恵比寿でもやはり効果を確認できた。
受けた感想は「なぜ突っ張っているはずの腕が曲がってしまうのかわからない。」というもの。
相手の侵入には抵抗しやすいが、『謙譲の美徳』によって結果的に自分から近づく形になると反射的に肘を曲げてしまうようだ。

『組んだまま拳で崩す』
手裏剣崩しの応用で出来ないかと考えていたものの拳版だ。Sさんが組んだ状態のまま崩せないかと提案されたので試しにやってみることに。
膝を曲げて重心を前に移動することで相手が後ろにのけ反る。そこに身体全体で前転方向の円を描くように身体が動くと手裏剣崩しのように相手が崩れる。
拳は置いておくだけ。
実際やってみると手裏剣崩しの感覚もあるが、健心流柔術の押し込んできた相手を受け流して力を返す感覚に近い

『剣』
道具を介すと体術とは違った厳密さが求められる。
接点が自分の身体よりも遠くなるが、それでもなお繋がりを保ち、中心をとり続ける感覚が必要。
たまにやると自分の出来なさ加減がわかって良いですね。

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