上達の秘訣

巣潜りの世界記録が出たというニュースを見た。
正確な記録は忘れましたが、20数分潜っていたとあり、目を疑いました。

このニュースをみて思い浮かんだのが甲野先生に教わった『上達の秘訣』。
二つあるので紹介しておきます。
ひとつは、
・興味を持って取り組むこと
もうひとつは、
・命懸けであること

まさにこのニュースのケースが当てはまりますが、何世代もかけて生物の進化として適応していくならともかく、現世代で想像もつかないような記録を出せるんですね。
巣潜り20分超というのはスポーツのあらゆる記録と比較しても異質の印象があります。
100mを9秒台というのも自分に置き換えたら想像できないんですけどね。

生物のこれまでの進化は突然変異と淘汰の結果だけてはなく、突然の環境適応とその後、その環境が当たり前になったことによる変化の結果でもあるのではないでしょうか。
驚きました。

武術稽古でも”適応せざるを得ない環境”を準備するのは上達を促す上で重要だと感じています。
例えば同じ『形』の稽古でも、『形』が要求する動きを理解して(しようとして)それに適応する方向で取り組むのと、単に見た目の『形』をなぞるのでは『形』に取り組んだことによる変化(進化)は全く異なるものになるでしょう。
対人稽古でも、相手が(ある約束のもと)手を抜かずかかってくるのを受けるのと、やる気なく形だけ向かってくるのを受けるのでは”適応せざるを得ない環境”に大きな差があります。

『形』での体験例を具体的に挙げるなら、理解が正しいかどうかは別として、起倒流の「体」の型で受けが本気で腰投げに来るのを型で捌くのか、単に型の動きを覚えてお互いに動くのかという違いになる。

”適応せざるを得ない環境”というのは、設定する状況によっては一気に自分を引き上げてくれる。
一方、出来ない自分と向き合うことにもなる。

私は武術の技を上達させていきたい。
上達のためなら出来ない環境は歓迎したい。
上達を続けている方々の稽古は設定する環境の甘さを消していくように行われているように思える。

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