『いつ投げるの?まだでしょ!』松聲館技法レポート(最新技速報)

甲野先生は、自らの技の効きに疑問があると、わざと違うやり方でこちらの反応を見ることがある。
何を疑っているかと言うと、
自分に気を使ってわざと技にかかってないか、チェックしているのだ(笑)
もちろんこちらは毎回止めるつもりで対応しているので、甲野先生が変な動きをすれば当然技はかからない。
技の質を判定するなどの目的で、意図して綺麗に技にかかるならともかく、稽古環境によっては本人の自覚もないまま、抵抗できる技にもかかってしまうという現象がある。
これは上達を阻害する要因であるから、しっかりと排除したいと言うことだ。
かといって技にかからないことそのものを目的にしてしまうと、貴重な機会を逃すことになってしまう。極論だが技にかからないことを第一にするなら道場から出てしまえば良い。
伝わりにくいのを承知で書くが、土俵で相撲をとっているような感じと言える。

この日は柔道の形で相手が組んできたところに歩み入り、そのまま浮かし崩す動きが新たに生まれた。
形としてはやっていたが、これを最新の『追越禁止を守ったまま追い越す』でやったのは初めて。
こちらが、払おうにもいなそうにも触れた直後に浮かされてしまってうまくいかない。
たまに先生がやり方を変えてくるときは、こちらがやられる事はないので、私が極端に弱いわけでもないようだ。

さらに面白い柔道技が生まれた。
『浮木之腿(ふぼくのたい)』を使った『小外刈』『小内刈』『大内刈』だ。
思いがけない状態から技に入る、この技を受けた感触は、

「いつくるの?」(技をくらいながら)「まだでしょー!」

がぴったり。こちらが(来る)と予測するタイミングよりも、ほんの一瞬だけ早く技が来るのだ。

他にも小手を返さない『小手返し』風の技なども飛び出した。
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この日は私にとっても脳内で練った動きを検証できる貴重な機会だった。
柔道有段者のKさん、Iさんに鉄柱を相手に開発した『妄想足払 』を検証させてもらった。
結果は上々で、動きのなかで出せたらかなり有効だろうという手応えを掴むことができた。
特に『出足払』は相手の両足を払うつもりでかけると良いようだ。
さらにこれにとどまらなかった。Iさんが、『足車』など他の足技でも活用すると有効そうだというのだ。
それを試してみると、横でみていたKさんが三船十段の技のように見えるというから嬉しい限り。
これらもじっくり検証しながら身に付けていきたい。

それから中国武術もやっているKさんからもらったアドバイスで、組んだ状態からの崩しが大きく変わりそうだ。
軽い人が相手ならこれだけで『空気投げ 』のように倒せてしまえそうな気すらしてくる。
ただ、この強力な状態のまま動き続けるのは今の私には困難だ。
身に付けるためには地道に練習をしていかなくてはならない。




  

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