ページ

2015年12月29日火曜日

松聲館速報『ひもトレからの展開』-稽古納め-

メルマガ動画の撮影で松聲館へ行ってきた。
今年の稽古納めだ。

甲野先生に最近というか昨日の出来事である『集注』によって体が変わると見える世界が変わる体験と、最近の手裏剣について報告した。
手裏剣は先生の前で直打法の重さを感じて打つテイクバックが要らない打ち方と、下段打ち、背面打ち、寝打ちを披露させていただいた。
また手裏剣の種類によらず同じ感覚で打てるようになったことも報告すると、松聲館では見たことのない鉛筆タイプの細長い手裏剣を渡され、これも実演した。
「けっこう打てるようになっていますね。」と甲野先生から言われたのは嬉しかった。
そのあとであらためて見せていただいた甲野先生の、『謙譲の美徳』を絶妙な加減で取り入れた打剣は見事だった。


■ひもトレで展開する武術の動き。

甲野先生の高速微振動がひもトレで変わった。
これまで骨盤の高さあたりで振動していたが、ひもトレでへそに紐を巻く感覚を得たのをきっかけに、振動する位置をへその上あたりに変えると『払えない手』が『触れると跳ばされる手』に変わった。
本当に触れると跳ばされるのだが、一緒にいたKさんと二人でお互いに試してもそのようなことは起きない。

この日だけでもひもトレをきっかけに太刀奪り、座り正面の対応、襟取りの斬り落とし、斬り込み入り身、柔道の返し技など一気に技の質が変化している。
詳しくは夜間飛行から発行中のメルマガか、甲野先生のセミナーで確認していただきたい。


難しいと言われている『人間鞠』がようやく私もできかけているようだ。
しゃがんだまま弾み続けるうさぎ跳びが出来るようになって、その感覚で『人間鞠』をやったところ、少し前に出ながら弾む動きがでた。

またひもトレだが、大転子あたりに紐を巻いて垂直にジャンプをしはじめるとどこかの部族のように垂直跳びが止まらなくなる。
道場の畳がまるでトランポリンになったのかと思えるほどに跳び続けた。
紐トレ繋がりでたすき掛けの感覚で拳立ての格好になり、胴体を真っ直ぐ落とすと『拳立て人間鞠』とも言える跳ね続ける拳立てが出来た。
なかなかコミカルで面白いのでリクエストがあればお見せしたい。


今年の稽古はこれでおしまい。
稽古をご一緒した方ももちろん、当ブログを読んで下さったみなさま、
今年一年ありがとうございました。

来年も引き続きお願いいたします。



2015年12月28日月曜日

手裏剣稽古(後編)『形』『集注』

この日は途中から韓氏意拳の内田秀樹さんが来てくださった。
Uさんからはテクニックではない、武術の根本のところを教えていただいた。
それは、『形』と『集注』について。



根岸流手裏剣術にある『卍の形』だったが、単なる手順とポーズではなく、形が要求するものについて着目して取り組む。

それにしても内田さんとの稽古で教わったことを文字にするのは難しい。
どの流派のことについて書くときも、教わった通りのことをブログで表現しきれてはいないのだけれど、どのみち理解できた範囲でしか文字に出来ないので開きなおって書いている。
それにもかかわらず
内田さんとの場合は特に難しいと感じる。


『形』が要求するものは何か。
なぜ始めの構えから次の形に移るのか。
その間に何が起きているのか。


内田さんからの指示は、

無いところに意識を向ける

というもの。

これにしたがって意識を向けると体が変わっていく。
この変わっていくときの状態というか変わっていくことを『集注』というようだ。
ちなみにこの『注』の字はこの稽古で書く場合、これで正しい。



始めの構えでは肩から肘。
 目の後ろに視線をおく。
 首
 肩
 肩胛骨の間
 右肩から右肘
 左も同様
 腰
 仙骨
 尾てい骨
 小指側と手首、左右
 鼠径部
 下腹
 膝の裏 無いところ
 足首 無いところ


無いところに意識を向けていくと体が下に沈んでいく。
順番や規則性はないので、無いところに目を向けることを続けていくこと。
体が沈んでいくことが目的ではない。
姿勢を意識的に作ろうとしないこと。無いところに目を向けること。


卍の形では、左右に腕を伸ばした格好からはじめて、無いところに意識を向けると体が結果として沈んでいく。
沈みきる前に左肘と腰に意識を向けると左半身になって手裏剣を構える体勢に移行するのでそこでさらに無いところに意識を向ける。
『集注』が高まる(表現があっているか分かりません)と打つしかなくなるので、左手を下げると右手が自動的に前に出て手裏剣が発剣される。


この『集注』によって、体が次の形に移行することや、打つしかなくなる感覚が『形』が要求するものだと感じることができた。

『形』の要求を満たさなければ手裏剣を打つ気になれない。
『形』が体に打たせてくれないのだ。


このような稽古ははじめてで、衝撃的な感覚だった。
衝撃的だったのは『集注』によって導かれる体勢のきつさもそうだった。
内田さんにはしゃがむ『形』や座ったままの『形』などいくつか指導していただいたが、ある形では膝の裏までいったところで体勢を維持することができなくなって浮き上がってしまった
具体的にきつい場所は足の筋肉だが、苦しさとしては息を止めて水のなかにいるような苦しさだ。
筋トレのスクワットが体力の限界で出来ないというきつさとは種類が違う。



カリも面白かった。
自分の範囲からでないということ、アングルを切るということ。
カリのイメージは、日本武術が持っている伝統文化的なイメージではなく、実戦的で生々しい殺伐とした怖いイメージだったが、『集注』の側面からのアプローチに触れたお陰でそのイメージが少し和らいだ。
興味深かったのは、こちらが『集注』してスティックを構えていると相手が適当に攻撃してこようとしても体がそれを制する動きをとってくれることだった。
カリのテクニックは全く知らない私でも相手の動きがわかるようになり、それに対して動くことができたのは驚いた。
これが示しているのは、状況に対処できる体になっていれば、動けるということだ。テクニック以前の根本的なところだと感じた。


他に、投げ技でも相手にとらわれないで組むことや、投げる動きを着物からもらえる感覚に従うことで細く、速くすることなど、やはり文字にしきれないことを教わった。


私からは情報交換の材料に手裏剣稽古で気づいたことをいくつかお伝えしたが、なかには内田さんにとっても有用ものがあったようだった。
来ていただいたお土産になっていれば嬉しい限りだ。



今回はひときわ濃い稽古になった。
今年の手裏剣稽古はおしまい。
Oさんをはじめ、みなさま本年は大変お世話になりました。
来年もまたお願いいたします。

手裏剣稽古(前編)『挙げて下げる』

Oさんのご厚意でお貸しいただいている人形町の稽古場で手裏剣を稽古した。
そのOさんは忘年会で埼玉県某所へ行ってしまったが、Oさんが形状の異なる手裏剣を数種類用意してくださったと言うので、試し打ちを楽しみにしていた。


手裏剣の種類が一気に増えた。
従来の甲野式小型、一回り大きい前重心のもの、小型コンクリート針、一回り大きい細型、細長い鉛筆型にそれから千枚通し。
それぞれ打つ感触を確かめていった。


中でも千枚通しは特別で、距離特性がはっきりしている。
極端な前重心のため、一間以内の距離ならならかなり適当に打っても刺さる。
それ以上の距離になると下を向いてしまい途端に刺すのが困難になる。


打ち比べてみると、慣れのせいもあると思うが甲野式の打ちやすさは抜きん出ている。
コンクリート針と細い小型は距離を出しにくいがしっかり刺さり、手の内に完全に隠れるので暗器としての性能は高い。
大きめの前重心のものは、三間の距離に剣の性能がフィットしていて、余計なことをしなければ三間がきれいに刺さる。短い距離ではやや調整が必要なように感じた。
面白かったのは細長い鉛筆型だった。
この中で一番回転しやすく、刺さりにくい。
回転しやすいというのは、手首の不要なスナップが出やすいと言うこと。
スナップは直打法には不要と考えている動きで、これが出ると首落ちが早まってしまい刺さらない。
直打法の感覚ができているか確認するには適していて、初心者が始めの練習から使うには厳しいように感じた。
これは私が甲野式の性能のよい剣に慣れているせいもあるかもしれない。


小型のコンクリート針を打っているとその軽さのため、肘に負担を感じることがある。
例えるならピンポン玉をゴルフボールと同じような感覚で遠くへ飛ばそうと全力投球したときの空振り感覚というか、腕の振りを道具が受け止めてくれないので、こちらに返ってきてしまう感じがする。


これに違和感が生じたので手裏剣なしで手を挙げ下げすると当たり前だが肘に負担はこない。
"手裏剣を打つ"
を、
"手裏剣をもって手を挙げて、下げる"
に変えて試すことにした。


手にした手裏剣の形状や重さが変わっても、それを感じて、ただ手を挙げて、下げる。
面白いように形状に関係なく剣が刺さる。


手のひらで重さを感じて打つ感覚がこの助けになってくれる。
距離にもよるが、この感覚があるとボールを投げるときに必要なテイクバックも手首のスナップもいらない。
背を向けたまま打つ『背面打ち』や寝たまま打つ『寝打ち』をやるにもこの感覚が必要だ。



この日は途中から韓氏意拳の内田秀樹さんが来てくださった。
Uさんからは手裏剣のテクニックではない、もっと根本のところを教えていただいた。
それは、『形』と『集注』について。



手裏剣稽古(後編)に続く。

2015年12月27日日曜日

甲野善紀新刊『出来ない理由は、その頑張りと努力にあった』

平尾文さんが聞き手と編集者をつとめた一冊。
甲野善紀先生に編集者の平尾文さんがインタビューする形式で書かれています。

甲野先生自身による動きの説明は、内部感覚を表現するためにどうしても難解な解説になってしまう。
聞き手の平尾さんは、武術稽古の経験がない立場をうまく活用されていて、甲野先生からわかりやすい説明を引き出してくれています。

技の解説でも平尾さんの合いの手がうまく効いています。
単なる個々の動きの説明だけではなく、新たな発見を呼び起こしたきっかけとなる話や、その前の気づきからの関連にも内容が及んでいるので、甲野先生が稽古を進めるなかで次々と新しい動きを発見していく様子が会話の中からうかがえます。
本人の説明だけでは省略されてしまうような内容も、平尾さんが聞き手となることで省略されずに会話の流れの中で触れられているので、最近の技を理解する上でもわかりやすい内容になっています。

技の解説にも多くのページが割かれていますが、タイトルの通り、稽古の考え方や上達の仕組みの話もしっかり書かれています。
セミナーに出てもここまでの内容をわかりやすく説明してくれることはないので、貴重な一冊だと言えます。

ただ、読みやすいとはいっても技の解説を読んだだけで理解するのは難しいと思います。
動きのイメージを補足するための動画が公開されているので、それも合わせて参考にされると理解の助けになると思います。
しかし、それでも技を理解することは難しいでしょう。
そうなるとセミナーで技を受けてみるしかありません。
しかし実を言うと受けてもわからないことのほうが多いです(笑)
ではどう取り組めば良いのでしょうか?
武術稽古以外のスポーツや日常生活にも当てはまる悩みかもしれませんが、そのヒントも平尾さんが聞き出してくれています。



2015年12月25日金曜日

構造動作トレーニング-Takahiroラボ-胸郭を立てる

構造動作トレーニングの研究回である『Takahiroラボ』に参加した。

最近は骨盤を『前に倒す』とは言わないようにしているらしい。
『前に』と言われると、無理をして前にポジションを持っていっている感覚になってしまうからだそうで、『立てる』と表現しているそうだ。
実際、骨盤で言えば恥骨を底面にして立たせたポジションが骨盤に着目した場合のニュートラルといえる。
確かに言われてみれば『坐骨結節が後ろから出る』や、『恥骨を前に出す』と言われるよりも、無理して頑張る印象は薄くなる。



正座で骨盤がニュートラルになるポジションをとり、胸郭を立てる。
ここで行う深部感覚トレーニングは、肋骨と肩胛骨に触れてもらうだけの大きな刺激のないシンプルな内容だ。
しかしこの、胸郭の深部感覚を呼び起こすトレーニングを経ると、何となく胴体と認識していた感覚が改められて、胸郭の存在が現れる。


続いて胸郭を立てた状態で、肘を持つだけの、上腕の深部感覚を呼び起こすトレーニングを経ると、上腕に対する意識が濃くなり、腕を挙げる動作が軽やかになる。


自分の体がどうなっているかをはっきり意識できるのと出来ないのとでは、動作の精度に差が出てくる。
軽くなれば体感的にも違ってくる。
構造動作トレーニングは、正しいポジションと動きを体に刻み、自分のものとしていくトレーニングだ。



大阪で『重さを乗せるスクワット』をテーマでセミナーをやったところ、なかなかできる人がいなかったという。
相手の手に遠慮してしまって自ら引いてしまうか、重さをかけようとして寄りかかってしまうのだろう。
これは手のひらが触れていることによる誘いの作用によるものが大きいと考えられる。
解消するアイデアとして、手を触れない位置で一度素振りをしてから、相手に近づき、やはり手が触れないように相手の手のひらを少しだけ下に構えてもらった上で、素振りと同じようにしゃがんでいくと良いのではないかと提案した。
これで少しはできる人が増えると思うがどうだろうか。



セミナー後は居酒屋で食事会。
酔った席での話だが、中村先生が名古屋で私を呼んで武術稽古会を開いてみたいと言う。
じつに楽しそうだが、家族を置いて遠出は難しいと言ったところ、家族で来て奥さんと子供たちは中村よし子先生と子供たちとで遊んでもらえばどうかと提案された。
その手があったか!というか、その手は沖縄旅行で使っていた。
しかしあのときは家族をホテルに置いて稽古に行っていたが、今回は違う。
家族旅行なので旅費も宿泊費もこちらで持てて、あとは会場と日程と言うことになる。
話はここまでだったが、来年どこかで実現するかもしれません。

2015年12月21日月曜日

甲野善紀『ひもトレ』音楽家講座

白川さん主催による甲野善紀先生の音楽家講座に参加した。
場所は代官山の『晴れたら空に豆まいて』という、畳敷きのイベント空間。
この会場の講座に参加するのは二回目だが、独特の雰囲気があり、いつもと違った展開になる。
特に懇親会の雰囲気が気に入ってしまった。畳のせいだろう、参加者全体がリラックスした状態で臨めるのがよい。


この日は懇親会で音楽家の方がピアノを弾いてくれていたりして、音楽家講座とこの会場ならではの独特の雰囲気を楽しめた。
個人的には白川さんがひくピアノを聴けたのが嬉しかった。
うちの娘が最近ピアノに興味を持っているようなので、余計に惹かれたのかも知れないが、娘が音楽をやるなら白川さんのように楽しんでもらいたい。



この日はスペシャルゲストにバランストレーナーの小関さんが来られていた。
甲野先生から評判はうかがっていて気になっていたが、初めてご本人から紐トレの話を聞くことが出来た。


紐トレの効果は驚くような内容のものもあり、手軽さと効果のギャップが大きいと感じるものだった。
甲野先生もすっかり気に入ったようで、数年前のスポンジ以来だろう、積極的に取り入れようとされていた。
スポンジのときは、先生が技の探求ではなく道具探し路線に走るのを懸念していたが、今回の紐トレは道具が決まっているし、不自然に体を矯正する使い方もしないので私も安心して見ていられる(笑)


それにしても紐トレの効果は興味深い。
・走りのパフォーマンスが上がる。
・呼吸が深くなる。
・力強くなる。
・バランス力があがる。
紐を巻いただけでこれらの効果が得られると言われてもにわかには信じがたい。
しかし、今回の音楽家講座で相談にこられた方々の『音』が、体に紐を巻いただけで素人にもわかるほどに変化するのだから、効果は明らかだった。


今回は甲野先生からのアドバイスも紐を巻きなさいというものが多かったが、刀を当てて体の滞りをなくす(?)対応による変化も劇的なものだった。

紐はまだしも、刀による変化は毎回受けるわけにもいかないし、普段はどうすれば良いのか受講者は困ってしまうかもしれない。
確かにすぐには同じ状態を再現できるようにはならないだろうが、最近甲野先生が『虎ひしぎ』を手の形を変えずにできるようになったように、感覚を残しておけば紐や刀がなくても自分の体で再現できるようになるのだと思う。
そのためには一度でもいいので体がその状態になることが重要になってくる。楽な状態の存在を知ることで実現することへの現実味が増すのだ。
とは言え、知っているだけでは体に変化は起こりにくい。普段やるべきことは自分の体を感じて過ごすことだと考える。



甲野先生の新刊『出来ない理由は、その頑張りと努力にあった』が出たばかりで、さらにその新刊に私の名前が三回も登場するということもあってか、講座中に私が『謙譲の美徳』を紹介するという私にとってのサプライズもあったが、そのおかげもあって、その後の講習会では興味を持たれた方々から声をかけていただき、『謙譲の美徳』と『辰巳返し』のやり方をお伝えすることが出来た。
教え方もほぼ固まってきていて、今回はお伝えした全員の方にその場で出来るようになって貰い、ずいぶんと喜んでいただけた。
技として見せるにはやり方を変えずに動きを小さくしていく必要があるが、出来なかったことが出来るようになる面白さは十分味わっていただけたと思う。
また少しでも体の面白さに興味をもってもらえたら嬉しい限りだ。



講座の内容とは直接関係ないが、個人的なヒットは、浜松から参加されていたKさんの技への対応力だった。
Kさんは小柄な女性なのだが、そのつもりで技を加減してかけようものならいっさい通らない(笑)
ならばと気を取り直してかけてもなかなかかからない(笑)
いくつかの動きは説明通り技が通ったが、通ったと同時に安心した経験はこれまでになかった。
なんと甲野先生までもがKさんを崩したあとで「よし!」と言われていた。こんなこと常連の我々でも一度も耳にしたことがない。
これには笑ってしまった。



2015年12月20日日曜日

柔道練習56回目『内股』『跳腰』『払腰』

Sさんがお休みで、Kさんと練習した。

「たいさんはこの技も打ち込みをやっておいた方が良いです。」と言われたのは、『内股』『跳腰』『払腰』に共通する入り方だった。


足捌きの確認。
右足を90度左に向けながら相手の右足前あたりに出し、左足は踵が相手に向く向きで右足と横に並ぶ位置に出す。

釣り手は上に、引き手は手前に。
自分が近づくのではなく、相手を持ってくるように引き付ける。

上体は正面をキープして相手の体がぶつかってくるようにする。

次の動作をスムーズにするため、顔は後ろに向ける。
ここまでは内股、跳腰、払腰で同じ。
相手の状態で何をかけるか決めて良い。

相手と胸があった状態から、釣り手と引き手で大きく円を描くようにしながら上半身を下半身の位置まで横回転させる。
この動きの時に右足をどう出すかで技の名前が決まる。
縦回転は釣り手の方向に発生するが腕だけではなく、跳ねあげる足と上半身の傾きによりおこなう。


体が大きい人は奥襟を持って最初から払腰、足の長い人は初めから内股を狙ってもいい。

うまくいったときは相手の体がふわりと浮いてくる。
上半身から崩して足を掛ける足技とは異なり、腰に相手をくっつけて回し投げるので、足を使わなくても相手は投げられる。

重要なのはいかに相手を浮かせた状態でくっつけるかだ。

2015年12月18日金曜日

足の『辰巳返し』

Oさん主催の恵比寿稽古会に参加した。
次週は別件で不参加なので今年はこれが最終回。


今日はみなさん都合が悪かったらしく、私とOさんの二人稽古になった。

Oさんは少し前の私のツイートを見ていてくれたようで、『謙譲の美徳』による『大外刈』を受けてもらって、その感想などをいただきながら、Oさんからも新しい感覚の投げを教わった。

主に足技の形で検証したが、教わった動きは相手に寄りかからずに動くという質的な違いが重要で、応用の幅は広いと感じた。

特にOさんの提案で試した『謙譲の美徳』で相手を動かしてからの、寄りかからない動きは、感覚を掴めば相手にとって予想しにくい質の投げになるようで、非常に面白かった。
Oさんにも言われたが、私の感覚にあった形を見つけて練習できるようになると、また違った面白さが出てきそうで楽しみだ。
是非自分の感覚としてものにしたい。

起倒流の形のいくつかも、同じ動きの質で試したが、どれも柔らかい接触面を保ったまま、重心の移動によって崩される感覚が心地よかった。


足を掛けて重心を落とした相手の足を浮かせるこの動きは、私の感覚でやると『足の辰巳返し』だった。

この感覚は面白い。

2015年12月17日木曜日

腕(かいな)をかえす

恵比寿での稽古。

Sさんと稽古した。
三船十段の柔道を身に付けるために考えた練習方法を試した。板張りの床では厳しいと考えていたがゆっくりやれば悪くない稽古が出来そうだった。
リラックスしたまま相手の動きを抵抗せずに受ける練習。私の構想ではこの続きがあるが、それはこの先の話だ。
つくばのKさんにご協力いただいて形にしていきたい。


これに近い要素を練られそうだということて、Sさんの剣術稽古の相手をつとめた。
同じ流れで小太刀を持った『太刀奪り』を久しぶりにやったが、気持ちよく動けた。
条件
・Sさんは剣を上段に構える。
・私は小太刀を右手に持つ。
・お互い間合いを詰める。
・Sさんは打てるタイミングで真っ向に打ち込む。
・私は捕れるタイミングで入って止めるか、かわして制する。


かなりの確率で打ち込みを防ぐことが出来た。相手の打ち気をとらえて動き出せたので動きにも無理がなかったように感じた。


『肩車』の研究。
足を抱えてはならないルールなのでどうすべきかという検討稽古。
サンボの動画で見た形はうまく行きそうだったが、本屋で立ち読みした井上康生さんの解説によるやり方は思い出すことができなかった。
それでも根本原理を、「相手が崩されて足を出したくなったところにつっかい棒を出し、つまずきそうになるところを転がす。」として投げるとして考えてみると、形が自然と見えてきた。
また本屋で確認してみたい(買えよ)。


『隅返』
相手の『背負投げ』が潰れて、背を向けてしゃがんでいる状況下、防いだ側は何をするか。
いくつかあるうちの1つが『隅返』だ。
立ち技からの捨て身だけではない、有効な場面がこんなところにもあったとは。
相手の懐下に回り込みながら差し込んだ足を相手の膝裏に引っ掻ける。



たまたま本屋で見つけた相撲の技術本を立ち読みし始めたら止まらなくなってしまって、けっこう読み進めてしまっていた。
面白いと感じたのは、投げをうつ仕組みがシンプルだということ。
これはルールによる進化の結果だと考える。
相手を土俵から出すか、足の裏以外を土につければ勝ちだ。
なるべく倒れにくい姿勢で、なるべく相手に大きな力がかかる動作を追求する。


投げれば勝ちにつながる点は柔道と同じだが、柔道のように投げ技が細かく分類されておらず、決まった技の打ち込みや投げ込み練習はない。
これはルールに導かれて、投げの本質的なところを稽古した結果だと考えられる。


この日は相撲で使う『かいなをかえす』 とはどういう動作か、Sさんに受けてもらい色々試した後で中島先生に聞いてみた。
腕撓関節から動ける状態で上腕を背中側からあげるようにして相手に押し付けるようにする。
逆に脇を締めるとは、同じく腕撓関節から動ける状態で、上腕を体側に寄せる動きになる。
見た目には同じに見えても、単に脇の下が開いたり閉じたりする動作ではない。


柔道でお互いしっかり組むと、『背負投げ』にも足技にも入れないような近い間合いになることがある。
捨て身技に入る手もあるが、相撲の投げがうてれば強力な武器になる。


帯を掴めれば理想的たが、相手の腕を抱えての上手投げなどは応用の幅がひろく、そのなかでも重要な要素となる『かいなをかえす』動作は正しく身に付けたい。
道場のKさんは高校の頃、格技部で相撲と柔道を、全国区レベルでやっていたというが、あのずっしりとした重みは相撲で培われたものに違いない。
こんどは柔道だけでなく相撲も教えてもらえるか聞いてみよう。

2015年12月15日火曜日

『水面走り』で階段をかけ降りる

甲野先生が最近気づいたという『高速微振動』による『水面走り』について、私も最近考えていた。

娘といったアイススケートでも『水面走り』に使われていると思われる、上体を股関節の前に垂直に落下させる状態を継続して滑ってみたりと、体感的にも手がかりがつかめていたように感じていた。


そんなある時、階段を降りる場面で、ふと『水面走り』の感覚が浮かんだ。
感覚にしたがって重心が移動するのに任せてかけ降りると、段差や階段の幅に関係なく、滑るようにかけ降りることができた。
両足は一定の幅に開いたまま、スキーのストックのように、滑りの邪魔にならないように突いていく感覚だった。


かけ降りながら頭に浮かんだのは、(これは間違いない!)というものだった。

(これは甲野先生に報告しなくてはならない!)
と思いながら目を覚ましたら、会社にいく時間だった。


前日いったアイススケートの感覚のせいですかね?
夢のなかでも稽古しているとは我ながらあっぱれです。

2015年12月14日月曜日

新型手裏剣の試し打ち

Oさんから、新しく手裏剣が手に入ったので試しに打ってみて感想を欲しいと連絡があり、人形町の稽古場へいってきた。


そこには、五寸釘にテープを巻いたもの、コンクリート針状のもの、甲野先生デザインの手裏剣の断面を丸くして少し大きくして前重心にした棒手裏剣が用意されていた。

コンクリート針タイプは、小型、計量で、細く、暗器としての性格が強い。打って刺さる感触はシャープで、威力はその重さから想像した以上に出ているようだった。
五寸釘も頭にテープを巻いたことで、近距離ならば直打法の感覚で打てるようになっていた。改良を重ねればもっと飛距離は延びそうだ。
丸型の棒手裏剣は、丸みのせいで滑りやすそうな感覚だが、馴れれば問題なく、何より重さと前重心の効果で威力が相当に出る仕様になっている。
十分稽古に使える代物だった。


最近打ち方の工夫を始めたが、道具を変えて打ってみるのもまた面白そうだ。
また終電まで帰れない稽古になりそうで怖いが仕方がない(笑)

2015年12月13日日曜日

柔道練習55回目『返されない袈裟固め』

KさんとSさんと練習できた。

打ち込み
・大外刈
・小内刈
・大内刈
・背負投げ
・体落

乱取り
・2分を2本
・アドバイス 数点

寝技
・亀を返す 前から
・亀を返す 後ろから
・返されない袈裟固め
・上からの攻め
・下からの防ぎ

乱取りは少な目だったが、寝技の練習が充実した。
おっさんになってから上達するのは体力的になかなか大変だが、理論的な話はこれまでの経験が理解の助けになってくれる。
無駄な練習をしないで済むのがせめてもの救いか。
部活の時とは違って、楽しいので体力と時間が許せば、いつまででもやっていたい。
やればやるほど、上達するのだから当然だろう。
子供たちに教えたいのは、試合の勝ち方などではなく上達の楽しさだ。
今のところ指導者になるつもりはないが、せめて一緒に練習する子供たちには、練習態度でそれを伝えていきたい。



乱取り
『謙譲の美徳』による『大外刈』を仕掛けたつもりだったが、Sさんに思いきり返された。
動きのなかで効果的にかけるには、感覚変化を起こしておく必要がある。
掛けたつもりで、掛かってないのだ。

Kさんからのアドバイス
・背負投げの入り方
見た目には自分が相手の懐に低く入り込む形になるが、動きの質は自分が技を掛けたい空間に相手を引き出すように仕掛ける。
引き出す空間が必要なので、あまりに引っ付きすぎた状態からは『背負投げ』に入れない。

・投げきる足技の掛け方
足だけだしてペチペチやっても何も起きない。牽制に使う方法もあるが、投げきる足技も使えた方が良い。
背負い投げ同様、くっつきすぎると相手を引き出す空間が無くなってしまう。
引き出したらなるべくくっついて技を掛ける。

・足技の返しかた
相手の足技が来ることがわかっている場合は、堪えつつ腰を落として、刈り返すと良い。

・近距離でもつれたときの投げ方
腰を相手に密着させつつ、タイミングを見計らって腰を前に入れ、『大腰』をかける。
私がSさんとの乱取り中、横から帯を持ったときはチャンスだったが、捨て身気味に投げを打ったので、足を出してこらえることが出来た。体を密着させて崩せば投げきることができる。

寝技詳細
亀を返す 前から
帯と襟で相手を引き出して、左足を相手の右脇腹から差し入れて相手の右腕脇に引っ掻ける。
同時に右手で相手の左肘の胴着を掴み、左に横回転してひっくり返す。

亀を返す 後ろから
帯を持ち上げて相手の腰を浮かせ、浮かせて出来た両脇腹の隙間から両足を差し込む。
足を差し込んで確保した隙間から、同じく両腕を差し入れて、左右の襟をそれぞれ左右の腕で掴む。

袈裟固めの逃れ
相手と並行になるくらい追いかけて密着し、肩ブリッジの角度で『鉄砲返し』を打つ。
他の寝技からの逃れかたも同様に、肩ブリッジを打ちやすい位置を取れれば『鉄砲返し』の要領で返すことができる。

返されない袈裟固め
「これを教えると逃げられなくなるので教えたくないのですが。」
という前置きで教えていただいた。
相手に密着されないように逃げる。
腰を相手から遠さまけ、背を見せないように仙骨を畳につけるようにする。

足を絡まれないように、膝は立てない。



からの、娘とアイススケート。
ちょっとしんどかったが、重心位置を探るいい練習になる。
娘も楽しめて一石二鳥だ。

2015年12月10日木曜日

構造動作トレーニング『肩・肘・手首・胸郭の深部感覚』

恵比寿での稽古。


東京武道館でお会いした方に中島先生の講座を紹介しているのだが、
その内の1人で消防士の方が参加されていた。
私は自分の稽古ばかりでご一緒出来なかったが、楽しまれていた様子だったので
紹介して良かった。

Sさんとの剣術稽古の後、中島先生から最新の構造動作トレーニングで紹介された
深部感覚トレーニングを教わった。

骨の真っ直ぐを感じるというシンプルな刺激を受けた体は、
その感覚を取り戻し、動き始める。

今回は腕に対するアプローチを行った。
肩・肘・手首・胸郭。
感覚があがると、腕が軽くなり、意識が通い始める。
自分の体の輪郭がはっきりと感じられるようになるのが面白い。

武術をやるのであれば、この感覚の延長上に道具の感覚がくるべきだろう。
やはり、体は動きの土台である。
少しもおろそかに出来ない。
また中村先生にもお会いして直接刺激をいただきたい。


稽古後は、中島先生、方条さんとともに食事へ。
稽古を始めたころからのご縁で、今でも貴重なアドバイスを頂き続けている。
お調子者の私が何とか調子に乗り過ぎずに稽古出来ているのは、
このお二方の力によるところが大きい。
ありがたいご縁です。


2015年12月8日火曜日

松聲館の技法レポート『DVD撮影と稽古』

夜間飛行から発売予定のDVDの撮影があり、その協力というか見学というかのために松聲館に伺った。
内容は2015年の最新技とそれらに関連する技が収録されそうだ。
かなり迫力のある映像も撮られていたので、今から完成が待ち遠しい。



撮影後は甲野先生との稽古だったが、参加していたのが剣術のKさん、忍者のNさん、久しぶりにお会いしたIさんと私の四人。
特にKさんIさんとは三人で稽古していた時期があったが、最近は三人が集まる機会がなくなっていた。
一緒に稽古するのはいつぐらいぶりだっただろうか。
みなさん普段稽古を積まれているし、受けの質も信頼できるので、なんというか話が早い。
お互いに刺激しあうことが多く、稽古の進展が大きかった。


個人的に一番大きかったのは、足の接触による『謙譲の美徳』だった。
Iさんと『謙譲の美徳』について話していて、腕だけではなく、サッカーであれば肩でもできるし、足でもできるはずだという話になった。
話の流れでお互いに足払いのような形で試してみると、威力がある。
それではと、柔道有段者のNさんと『大外刈』の形で交互に掛け合ってみたら驚きの威力だった。
普通なら返し技の餌食になるような、遠い間合いから足をかけても相手が回転して倒れる。
Nさんが言っていたが、腕だけで『謙譲の美徳』をかけるよりも、さらに足が加わった分やり易い。
浮きながら引き寄せられつつ、そこに足も掛かっているので思わぬ威力になるのだと考えられる。
これには驚いた。


他にもまだまだ挙げればきりがないほど充実した稽古だったが、特にこれは挙げておきたい。
甲野先生の最新の動きである『水面走り』が見よう見まねながらも出来るようになった。
Kさんと『払えない突き』を試行錯誤したり、各自が『水面走り』をやろうとしているのをみていて、私のなかである感覚を追いたくなった。
膝の落下で初速を出し、その勢いを加速させながら進むというやり方だ。
単純に膝抜きだけでは前に進めないが、落下を踵で受け止めれば、前方向への推進力に転換できるという考えだった。
踵で受け止めて前に進むのは、腰の落下でもやっていたが、膝の落下は最初から前重心で落ちることができるので加速の効率が良い。
両膝を床に落とすだけの動作を何度かおこない、落下と初速を出す感覚を掴もうとした。その後は落下途中にふたたび足裏を接地して、蹴ってというか踵を踏んで、前に進んだ。
これに慣れてきたら落下の距離を短くして、足裏がほとんど接地したまま同じことをやった。
すると『払えない突き』に効果が出てきた。
しかし『水面走り』になると気配として捉えやすくなってしまうという。
そこで膝の落下を、膝から上全部が落下する感覚に切り替えたところ、甲野先生が説明されていた「両足はスキーのストックのように使う」という説明がしっくりくるようになってきた。
これによって床を踏む衝撃も薄くなって、気配も出にくくなった。
肝心の『高速微振動』の感覚でやっていないので、甲野先生のやり方とは違うのだが、今までやっていなかった動きが出てきたのは間違いない。
上体は前に傾けるのではなく、少し前方に真っ直ぐ落ちるような感覚。


半謙譲の美徳
『大車』など、前隅への崩しをかけるとともに自分の体が相手に近づくように『謙譲の美徳』をかけながら動く。
このとき相手と一体になった球が転がるように力の方向を定めると崩しと、間合いを詰めるのと、投げの始まりが一致してくる。
『◯落』と名の付いた技については一応の整理がついているので、続いては『◯車』と名の付いた技について研究したい。



興味深いことに甲野先生が『高速微振動』をすると、私の『謙譲の美徳』が効かない。
柔道有段者が驚くほどの効果を確認した足の『謙譲の美徳』による『大外刈』が先生の体に吸収されてしまって全くきかないのだ。



甲野先生の技は撮影後の稽古でも進展があり、ますます目が離せなくなっている。
DVDの発売が待ちきれないかたは、各地の講習会で先生の動きを目の当たりにしていただきたい。

2015年12月7日月曜日

棒手裏剣『寝打ち』

Oさんの好意で開催できている手裏剣稽古会。
Oさんは腰を痛めてしまって休憩。Sさんが途中まで、Nさんが途中から参加された。

重さをのせる感覚をそのままにして、様々な打ち方を試した。
・下段打ち
・下段背面打ち
・逆袈裟打ち
・座打ち
・イス座打ち
・寝打ち(刺さった!)
・突き打ち(ストレートパンチ打ち)
・その場打ち

重さを感じて打つと、打ち方に関係なく刺す感覚がわかるようになってきた。
軽く打つにはOさんのいうところの、剣に任せる感覚でやると良い。早く軽く打つには先端の意識が有効だ。
先端の意識から剣のように刃の意識に変えて打つと勢いがさらにまとまった。

突き打ちの流れで試したのが、なるべく腕を振る距離を短く、速くする方法だった。
体のまとまりが大事になってくるが、まとまった感じに比べて腕の振りが何とも遅く感じた。

足を肩幅に開いたまま、腕を肩より後ろに振りかぶらず、上体を捻らずに打つ練習は、腕の上下の動作を手裏剣がとぶ飛ぶ前後の働きに変換する、直打法ならではの感覚を養うのに適している。


箸や竹串を久しぶりに打ったが、感覚の違いに戸惑った。
箸は後ろ重心なので打ち方を変える必要があるのと、軽いので距離が出ない。
竹串はさらに軽い。強く打ち出すと空気抵抗で立ち上がってしまう。
弘法筆を選ばずとはなかなかいかないものだ。
あらためて甲野先生が研究を重ねた棒手裏剣の性能の高さを実感した。
釘も試したが頭がついているのは直打法には向かない。離れぎわに指に引っ掛かって首落ちしなくなってしまう。

この日は柔道有段者のNさんと最近の柔道の上達具合などについて話しながら手裏剣を練習していた。
柔道話は盛り上がりますねー

2015年12月6日日曜日

柔道練習54回目『乱取りで帯取返し』

道場練習は一週空けて二週間ぶりだった。
前回体調不良でお休みされたSさんと3週間ぶりに練習した。

打ち込みと乱取り。そして寝技だ。

打ち込み
大外刈
体落
小内刈
大内刈
背負投げ
払腰

乱取り
5分1本
2分3本

寝技練習
色々


乱取り5分は、横でやっていた小学生の2分乱取りに時間を合わせて始めたら、途中で中断していたらしく、5分になってしまった。
息切れが激しく、終わったあと暫く休憩が必要だった。
苦しくて練習できないのは時間がもったいないが、スタミナは徐々につけるしかない。

前回までの乱取りと比べると変化があった。
・相手の足技に崩されにくくなった。
・技を仕掛けても返し技を貰いにくくなった。
・崩しからの流れで背負投げを仕掛けることができた(決まらず)
・Sさんが背負投げを成功させる確率が減った(以前は仕掛けられたらほぼ投げられていた)。

これまでの乱取りで私がSさんを投げたのは、捨て身技である『隅返』の奇襲による一回のみだったのが、今回は前に大きく崩してからの『帯取返し』で押さえ込みの形まで入れたのと、5分乱取りの最後にSさんの『内股』?をこらえてからの『裏投げ』(『千葉返し』に近かったかも)で、合計2回投げることができた。

今回は乱取り中の1本のみだったが、Sさんがギヤをあげた(試合モード)状態で練習することができた。
さすがに組手争いから厳しく、防戦気味に圧されたが、たまにこのモードを織り混ぜてもらうのは良い練習になると感じた。

アドバイスとして『背負投げ』はもう少し低く入ると良いと言われた。今回の乱取りでも低く入っていたら投げられていた場面があったという。

Sさんの感想だが、「久しぶりのせいか、黒帯になったせいか、前回よりも明らかに(柔道が)変わりましたね。」と言われていた。
「黒帯のせいかなぁ。」と何度か言われていたが、組んだ感じが黒帯っぽくなったとすれば、嬉しい限りだ。


寝技
私からのリクエストで寝技の練習にもお付きあいいただいている。

インターネット動画などで事前に研究したものをここでリクエストして相手をしていただくのだが、意外とうまくいったりして面白い。


手繰り
下から相手の腕をつたって背後に回る動き。
とった腕を前方に出しつつ、その動きをもらって背後に回ると相手は防ぎにくいようだ。

襟車絞
よく絞まる。

帯取返
仁木先生の動画でみた方法。
立ち技でうまくいった技をかめになるまえの亀になる前の相手に仕掛ける練習。

脛車返
形をおさらいするために手順を確認させてもらった。
うまく返せたと思う。

亀からの攻め
仁木先生の動画でみた方法。
相手が頭側から腕を取りにきたところ、わざと腕を取らせておいて、腕を巻き込むように仰向けになりつつ背中で相手をひっくり返して押さえ込む。

逃れ技
袈裟固めからの逃れ
仁木先生の動画でみた練習方法。
肘をとにかく抜いて首が回るようにして逃れる方法。
本気の押さえ込みからの逃れ。色々試すも逃げられず。

肩固めからの逃れ
三船十段の方法。首抜きの後転で逃げる。
七割程度の押さえ込みからの逃れはうまくいった。

横四方からの逃れ
本気の押さえ込みからの逃れ。
仁木先生の動画でみた方法で逃げることができた。
相手の腹のしたに肘をたてて隙間をあけ、隙間に膝を滑り込ませる。
そこから下からの攻めにはいる。

2015年12月2日水曜日

松聲館の技法レポート『高速微振動』

夜間飛行から発行中の、甲野先生のメルマガ用の動画撮影に松聲館にいってきました。

前回の衝撃からそれほど日も経っていませんが、今回も撮影前の稽古で『高速微震動』による新しい技が次々生まれました。

 『水面走り』による縮地とは違った感触の『高速微震動』による技の数々は、柔と剛で言えば剛の感触。
しかし何気なく出された手はとても強そうには見えない。
ゆっくり出された突きを横から払おうとしても、払えない。
見た目と大きくことなる剛の感触。

 「たいさんもこれができれば、柔道でもきっと驚かれますよ。」

それはそうですが『これができれば』なら、これまでの技にもたくさんあります。。。
少しずつでも身に付けていきます。

 最新技は夜間飛行から発行中の甲野先生のメルマガか、各地の講習会でご確認ください!




2015年11月29日日曜日

『空気投げ』投げ込み!

今週は道場での柔道練習がお休みだったので、つくば稽古会に参加した。

会の発足メンバーでもあり、柔道有段者のKさんには事前に連絡を取ってお願いしていたが、今回は武術稽古ではなく、柔道の練習を中心にさせていただくことにしていた。

Kさんからは、私には乱取りだけではなく、特に投げ込みの練習が不足しているのでそのあたりをしっかりやりましょうと言っていただいていた。
それから黒帯相手にはガチで(乱取りします)、とも言われていた(笑)

柔らかいマットの上でやる投げ込みは受け側のダメージが少なく、投げる側も加減せずに動けるため、練習方法として大変優れていると感じた。
道場にもあるといいので、おいくら万円か調べてみたらなかなかのお値段だった。
ボーナスで投げ込みマットが欲しいと言ったら家族の賛成は得られるだろうか(笑)

練習メニュー
投げ込み、移動投げ込み
『背負投げ』
『小内刈』
『隅落』

打ち込み
『背負投げ』

乱取り
三分一本

追加投げ込み
(実際に投げたのは右側半周分の五方向)
浮落 前隅
隅落 左右隅、左右後隅
渦落 左右前隅
鶚落 左右後隅
浪落 後隅

全方向の『空気投げ』を全てKさんに受けていただいたが、『隅落』はもちろん、『浮落』『渦落』も受けが何もしなくても飛ぶ精度の投げになっていて、『背負投げ』と同じレベルでの投げ込み練習が成立していると驚かれていた。

私もこれまでの研究で、技の仕組み的な理解は間違いないと感じてはいたが、躊躇なく投げきれる環境で練習したら実際どうなるのか、強い関心があった。
今回の練習で、技の完成度については、投げの感触をふくめて柔道経験者であるKさんのお墨付きが得られ、私自身も確信が持てた。
ここまで確信が持てれば『空気投げ』を特別扱いする必要はない。
乱取りで技が出せるようになるには『背負投げ』同様、練習を積むのみである。


有りがたいことにKさんには今後もご協力いただけることになっている。
道場練習に柔道『受け』十段と言われるKさんとの練習が加わわるのだから、柔道の実力もしっかりあげていきたい。

『背負投げ』 腰を低くとは意識していたが、どこまで低くすれば良いのか確認できた。
相手が腰を引いて堪えたときに『背負投げ』に入る感覚も初めてわかった。
動きの中で右に振ってからの背負い、後ろに崩してからの背負いへの入り方も確認できた。

『小内刈』 世界レベルの柔道家から直接教わった技。
Kさんも一緒に教わったことがあるので、かけた感触を確認してもらいながら投げ込みを行った。
相手を中央に絞り上げるようにしながら、相手の右足に重心をのせるように動く。
この動きと足を刈りにいく動きを一致させる。
足が相手に触れたら後隅に崩すように腕を伸ばす。
何度か繰り返していると、投げられた感触が徐々に本物に近づいてきたらしく、Kさんから「やばいなこれ。」というおほめの言葉をいただいた(笑)

『空気投げ』 『隅落』を受けてもらうと、投げるには投げられるが、右足が投げの終盤まで浮かずに残る。
Kさんが改善ポイントとして指し示した場所に向かって真っ直ぐに落としてみると、三船十段の動画で見たようにKさんの両足が宙に舞った。

3分1本の乱取りでは全く組ませてもらえず、押されっぱなしの投げられまくりだった。
組み手争いも練習していかなければ。

寝技の練習も出来て、実に充実した柔道練習だった。


つくば稽古会のMさんが動画を撮っていてくれました。
ちょっとだけ私のやる『空気投げ』の動画が見れます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7Yh4v31mWM
開始8秒あたりから。

2015年11月27日金曜日

漢の約束、中間報告

Oさん主宰の恵比寿稽古会。
韓氏意拳のKさんが少しだけ参加された。

Kさんとは、私の空気投げが完成したらその全てを教えると漢の約束を交わした間柄である。
今回は途中経過として、いまの空気投げを受けてもらった。
正式にKさんに空気投げを伝えるのは、完成後のことだが実に待ち遠しい。
Kさんも以前から投げの研究をされている。
その感触は相手の重心を奪うやり方ではなく、自身の動きに相手を巻き込むやり方だ。
普段の鍛練が直接動きの質の変化につながり、それが技の威力にも繋がる。漢らしい技だ。

投げの練習の流れでKさんが帰ったあとも空手の突きから空気投げの練習をすることになった。
今回もあらためて三船十段の空気投げとして、手順には間違いはないことを確認できて、あとは動きの質の問題だということになった。
重要なのは重心移動。
左足から右足に足を継ぐのに、相手にそれが伝わってしまってはならない。
そのためには、重心の移動が途中で途切れることなく行われる必要がある。
低い確率ながらもよい動きが出るようになってきている。
確率をあげていきたい。
そのためには丁寧なけいこが必要だが、その他にも板張りの床ではなく安全な畳の上で投げきる動作をやる必要性を強く感じている。

今度参加予定のつくば稽古会では、柔道有段者のKさんに『空気投げ』の投げ込みを依頼したい。

2015年11月23日月曜日

柔道初段

柔道をはじめて(正確には20数年ぶりに再開して)約二年、先日の練習後、S先生から講堂館から届いた初段取得の証書と、色紙の授与があった。

初段取得の話をS先生からいただいたときには、まだまだそんな実力ではないと遠慮していたのだが、
T先生から、取ったことで強くなる人もいると言われてそれならばと思い直して取得したのだ。
黒帯に恥じない実力をつけるためにいっそう研究と練習を重ねていきたい。

それから白帯では無しえなかった空気投げの完成に向けても一層精進していきたい。
寝技も強くなりたいし、空気投げ以外の立ち技も身に付けたい。
やりたいことだらけだが、急にうまくなるわけではないので、地道に研究と練習を続けていきたい。



さっそく黒帯を注文した。
メーカーも数社あり、厚さや縫い目の数などに違いがあるとは知らなかった。
刺繍にも文字の書体や色、縫い方など色々あって迷ったが高すぎないものの中で気に入ったものを購入したが、届くのは一ヶ月くらい先になるらしい。
練習では黒帯を絞めるように言われたので、練習開始用に刺繍なしを追加で1本購入した。
こちらはAmazonで購入。いまや黒帯もAmazonで買えるんですね。

2015年11月22日日曜日

柔道練習53回目『横返し、帯取返し、鉄砲返し』

この日はSさんが体調不良でおやすみで、子供たちの練習の後半からKさんに練習相手をしていただいた。

立ち技の練習
打ち込み。
技は相手にくっつくぐらい近づいて投げる。
Sさんは高校の頃は、相撲もやっていて全国レベルで凌ぎを削っていたそうで、くっついてからの投げが強力だ。
組んだ状態から動きに重さをのせるのもうまい。


背負い投げ
動くに従い、次々と相手の体との接触面が多くなっていくように背負いに入る。
左腕の引きで相手を引き寄せる。同時に右腕を肘、上腕、肩甲骨、背中と順に相手と密着していくように回転する。

組手争いと技の仕掛け
どの状態の時にどの技に入りやすいのか、入りやすい状態をどう作るのか。
自分がやりたいことと、相手にやらせたくないことを把握しておく必要がある。
この辺の研究は疎かにしていたので、技の向上のためにもしっかりやりたい。


寝技
下からの返し(基本)
相手の膝をつく足によって、どちらの腕をとるかが決まる。同側の腕をとる。

脛車返し
高専柔道の教科書より。
相手の頭を横にどけるところがもたついてしまった。
腕と頭の間に膝を割り入れるのだと覚えておこう。

手繰り
下から相手の腕を手繰って背後に回り込む。
単に引くと畳に手をつかれるので相手の前方に引き出すように手繰る。
伏せる相手を避けるように手繰りながら横、後ろに素早く回り込む。

横返し
名称は正確ではないかもしれないとのことだったが、亀になった相手を横から返す技。
返して上になるまでが一連の流れになるように動く。ひっくり返して終わりではない。
帯と後ろ襟をつかんで相手を上方向に引き出す。
左足で相手の右腕を引っかける。
右手で相手の左肘をつかむ。
ここまでをなるべく早くする。
引っ掻けた足側に転がって返しつつ上になって押さえ込む。

帯取返し
亀になる寸前の相手をひっくり返して押さえ込む形として練習した。
仁木先生の動画で立って伏せる相手に帯取返しをかけていたのを思い出して立ち姿勢からの形も練習した。

袈裟固めからの逃れ(鉄砲返し)
脇にしめられた肘を抜く。
左腕で相手を後ろからおす。
足をかけるように追いかける。
胸の上にのせるようにブリッジをして返す。

肩固めからの逃れ(三船久蔵版)
左腕を上げられた場合、左肘を張って自分の顔の左側に隙間をつくる。
隙間側に頭が入るように首抜けの後転を行う。

襟車絞
Kさんに絞め技(送襟絞め)を警戒した状態で亀になってもらい、襟車絞めに入るとそれでも絞まる。
知らなければ防御困難な絞め技だというが、その通りだ。

2015年11月21日土曜日

『甲野善紀』講座紹介(東京近郊)

先日レポートした綾瀬の講座以外に定期的に開かれている講座を紹介します。
東京近郊で参加を検討されている方向けですので。ご了承ください。


東京武道館で行われるBULINK主催の甲野先生の講座は、東京近郊で定期開催されている講座の中では、初めて甲野先生の技を体験するのにちょうどよい。
私が初めて参加したのもここだった。

前回の記事で名前だけ紹介した『水面走り』のような最新技をはじめ、剣術、体術から、介護術や日常生活にいかせるからだの使い方いたるまで、広い範囲のかたの興味に応える内容になっている。
サッカーやゴルフなどのスポーツや、珍しいところでは競艇をされているかたなど、参加者からのマニアックな質問にもこたえてくれる。
ご自身のからだの使い方に課題や興味をお持ちのかたは参加を検討してはいかがでしょうか?
※私のブログを参考にされる場合は、ブログの内容が私が興味を持った技を中心になっているので、この点はご注意ください。


他の講座も紹介します。
私のブログを見てきたと言っても、受講料が割引になったりすることも、私に見返りがあったりすることもありませんが、甲野先生から「そうですか。それはどうも。」くらいの反応が帰ってくるかもしれません。


話をたくさん聞きたい方には、毎月第2金曜に開催されている池袋コミュニティーカレッジでの講座がおすすめです。
駅直結の会場は空調が効いていて椅子に座って話を聞くことができます。希望者に技を体験してもらいながら話が進みます。
ここは積極的に宣伝することがないので、立地条件が良いのに何故か満員になることはほとんどありません。
当日急に都合がついた場合でもたいてい参加できます。


甲野先生のアドバイスを聞いて、その場で変化する演奏家を目の当たりにしたい方(あるいは変化したい演奏家)は、不定期ですが月一ペースで開催されている音楽家講座が面白いです。
著名なプロから趣味でされているかたまで、演奏家の悩みに甲野先生がその場の即興で応えてくれます。
するとビフォーアフターで質問者の音色が変わります。変化の度合いは人によりますが、素人が聞いてもわかる変化をされる方も多く、アドバイスも他の講座では聞けない内容で、たいへん貴重な場です。
会場は回によってことなるので甲野先生のサイトで確認をお願いします。

がっつり稽古したい方は、不定期だが月一回恵比寿で開催されている中島章夫先生主催の『松聲館の今を稽古する』稽古会が断然おすすめです。
ここでは甲野先生もある意味で一稽古人です。
技の研究に集中する場面や、研究途中の効きの悪い技をかける場面、相手がうまく対応して技が効かない場面を見ることができます。
甲野先生自身、発見の多い稽古会だとおっしゃっている通り、『人間鞠』の柔道技への応用や『飃拳』による突きへの対応は、この場で生まれた発見です。
ここは一回でも甲野先生の講座に参加されたことがあるかたが対象になっています。


ほかにも不定期に開催される講座や特定団体に招かれてのセミナーもありますが、ここでの紹介はここまでとします。
その他の地域で行われるセミナーなど、活動に関する詳しい案内は甲野先生のサイトで確認できます。

2015年11月20日金曜日

サッカーで使う『謙譲の美徳』肩で相手を飛ばす

東京武道館の会場につくと先生を囲む輪ができていた。
いつもの光景だ。


唯一ここでは、私は受講者でありながらスタッフ扱いでもあるので、より積極的に参加された方々の反応を見ながら教えるように意識している。
最近は講座中に、甲野先生が私に声をかけて『辰巳返し』や『謙譲の美徳』の受けをとりながら参加者の皆さんに紹介して下さるおかげで、私が怪しいものではないと思っていただけるのか、参加者から質問されることもあるのでやりやすい。

動きを小さくして、より技っぽく見えるようにするには練習が必要なものの、『辰巳返し』と『謙譲の美徳』は初めてのかたでもできるようになる教えかたが確立できてきた。
この日も三名のかたがその場でできるようになって、感触と効果のギャップに驚かれていた。


サッカーの指導にいかしたいと参加されているかたの疑問に答えるため、ポジション争いの形で肩の接触による『謙譲の美徳』を試したところ、腕の場合と同じように相手を飛ばすことができた。
私はできたがこれを誰でもすぐにできるようにさせるのは、まだ難しそうだ。
感覚を掴めればできるはずだが、見た目の不思議さが習得の妨げになってしまうように思う。
まずは手をのばす形で感覚を養うのがよいだろう。
元サッカー青年としての視点からみても、この技を身に付けるとかなり有利になるのではないかと思う。
コーナーキックでのポジション争いに使えば相手を弾き飛ばす事ができる。
もう少し色々な形で検証稽古してみたくなってきた。



甲野先生は先日気づいた最新の動きである『水面走り』を紹介されていた。
これは何とかして身に付けたいので見よう見まねで試すが、私がやると自分で自分にブレーキをかけながら動いてしまっているのを強く感じる。
『水面走り』の名の通り、水面においた片足が沈む前にもう片方の足を運ぶような感覚が必要なはずだ。


講座終了後、韓氏意拳のUさんが甲野先生と稽古されていたが、Uさんのテンションが上がりまくっていたのが印象的だった。
動きの変わった甲野先生との交流が楽しくて仕方がない感じが動きから溢れ出ていた。

甲野先生もそうだが、Uさんのあの動きの前には立ちたくないなぁ(もちろん稽古ならむしろ立たせてもらいたいですが)。

2015年11月18日水曜日

松聲館の技法レポート『高速微震動』新発見

メルマガ動画撮影のために松聲館に行ってきました。
といっても大半は稽古の時間で、撮影は終盤にまとめて行うことになっている。


事前に先生からいただいたメールには、名古屋・関西で大きな変化があったとあり、今回も稽古を楽しみにしていた。

楽しみは、最新技を受けることだけではなく、技を受ける自分がどう変化したのかを確認できるところにもある。
私は先生を驚かせるつもりで毎回臨んでいるが、現実は私が驚かされているばかりである。
特にこの日は、自分なりに多少は解釈できてきた先生の技が、またわからなくなるほどの衝撃を受けてしまった。
これは、先生の変化がこれまでの延長線上で速さや威力が増したのではなく、新たな質の動きが発現したためだった。


『高速微震動』と名付けられたこの動きは、名古屋の山口先生との稽古で気づいたという。
『払えない突き』『柔道の組手争い』『浪之下』などの技の土台となる、全ての動きに質的変化をもたらす変化だ。
特に驚かされたのは、のちに『水面走り』と名付けられた、「先生がびっくりするくらいのはやさで距離を詰めてくる。」動きだ。
いわゆる『縮地』と呼ばれる動きだが、これまで講習会で紹介されていた、相手に向かって滑空するように近づく『縮地』とは受けた印象が違う。
足を小刻みに踏みかえつつ進み、方向転換も可能だ。
これを『払えない突き』の形で受けたが、こちらが対応しようと思ったときにはすでに間を詰められてしまっていて、文字通り手も足も出ない。
間を詰められるあいだに見えた光景は、先生が拡大されてくるかのようだった。


しかしなぜ私は手も足もでないのだろうか?
「『払えない突き』をやる。」と、事前に説明されているのだから、頭では何をされるのかはわかっている。
目はあけているので先生の動きは常に視界に入っている。
それでも対応できないのだ。


頭でわかっていても対応しにくいと言えば、節電などで止まっているエスカレーターを上るとき、普通に階段を上るよりもやりにくく感じたことはないだろうか?
普段はエスカレーターの動きを体が予測して自動的に調整してくれているので、動き続けるステップに足を掬われることなく乗れる。しかし、エスカレーターが止まっているときにもこの調整機能が意思とは無関係に働くせいで、何とも上りにくくなる。
今回の対応のしにくさに通じるものを感じる。
しかし今回の『水面走り』を受けた感触は、エレベーターよりも弓矢にたとえたほうがしっくりくる。
弓の前に立って、飛んでくる矢を掴むのは不可能に近い。これは単に矢が速いためだけではなく、矢を放つ動作がいつ行われるのかわかりにくいためだ。
『水面走り』は予測できないタイミングと、予測を裏切る速度で動かれるために、こちらが対応出来ないのだと考えられる。


対応できない理由が理解できても、実際、こちらが十分に準備をしているところに全く間に合わないはやさで近づかれるというのは、全く驚きの体験だ。

この動きは是非とも身につけたいが、その方法が見つかるかどうか。
先生からヒントはたくさんいただいたので、これを頼りに進んでいきたい。
思い出した順序に並べると次の通り。
・常に動き続けている
・胸のしたあたりからが足
・高速で綴れ足(内観でやる)
・エンジンを吹かしている状態
・小鳥が飛び立つよう(やった後の感想)
・左右の足幅が開いたまま進んでいる(やった後の感想)
・歩幅は小さめ
・水面を走るかのように右足が沈む前に左足を前に出す


最後に挙げたヒントからは、この動きの困難さが伺える。
『綴れ足』は以前から知っている動きなので理解できる。『綴れ足』による高速の足踏みの感覚があるから、『滑空による縮地』ではなく『水面走り』なのだと考えられる。


技を目の当たりにした上にこれだけのヒントをもらっても、私がこの技をできる気がしないのは、先生の説明が難しいのではなく、私の体がそれを理解できるレベルにないということだ。
体のほうで変化の準備ができていれば、以前私が思い付いて先生にも驚いていただいた『足の飃拳』のように、イメージしただけで驚くような大きな変化がいきなり訪れるのだ。


もう少し整理しておこう。これまでの延長線上にはない質の動きと書いたが、土台になっている先生の体が入れ替わったわけではない。
飃拳で纏まった体だから実現可能な動きであるのは明らかだ。
これまで間合いを詰める動きは直線上を滑空するようにされていたが、歩幅を短くすることで方向転換も出来るようになっている。
ここで注意すべきなのは、歩幅を短くしようとしたのではなく、高速で綴れ足をする『高速微震動』の内観に従った結果、歩幅が短くなったところだ。
予測できないタイミングで動かれるのは、その前に気づいた『飃拳』をセンサーにした『手づかみ』からの逃れと繋がっていると考えられる。
もちろん絶対的な動きのはやさは、蹴らない動きを要求される『太刀奪り』が無関係ではない。


このように整理してみると、私が『水面走り』をすぐに理解できないのは、その前の『飃拳』によるセンサー感覚や、『太刀奪り』の動きを体得していないためだと推測できる。
一足とびに習得できる技ではないが、先生の技を直に体験したことで、今までになかった感覚が体に刻まれた。
この貴重な経験をいかして、今後も稽古を続けていきたい。

2015年11月16日月曜日

手裏剣稽古『力みたくても力めない打剣』

Oさんの好意で貸していただいている人形町の稽古場で手裏剣稽古を行った。
そのOさんが先日手裏剣で劇的な変化があったというので楽しみにしていた。

私は先日の剣の稽古で得た感覚で手裏剣をやる計画だった。
振り上げは上方向をもらって沈み、振り下げは下方向をもらって沈む。
前者が『謙譲の美徳』で後者が『半謙譲の美徳』だ。(半分だけ『謙譲の美徳』は長いのでやめた。)

Oさん、Sさんと三人で稽古した。
Oさんの劇的な変化は本当に劇的だった。
以前の力強い剣の振りからの打剣から、まるで悟りを開いたかのような柔らかい打ち方にかわっていた。
この日は探り探りの感覚でやられていたが、気づいた当日は刺さらない感覚がわからない!ほど冴えまくっていたそう。


Sさんに質問されて甲野先生の手の内を思い出しながら説明していると、そのやわらかさに説明しているこちらがあらためて気づかされた。
こうなってしまうと、私も今までのやり方では薬指から発生する緊張が気になってやりたくなくなってしまう。
不馴れだがからだの声に従うならこれで練習するしかない。
しかしからだの声は正直でしばらくやっているとこれまでよりも良い感じになってきた。
より剣の重さを感じ取れるようになり、楽に打てるようになった。

Sさん、Oさんとも用事で稽古を終え、一人で稽古を続けた。
この感覚でやっていると、突然下からの打剣をやりたくなり、丁寧に重さを感じながら打っていると、色々と試してみたくなってきた。
歩きながら的に近づきつつ、自然に振れる腕の動きにあわせての打剣や、ここでとれる最長距離の三間での打剣、振り向きざまの打剣、危ないので決しておすすめしないが、振り向かないままの打剣。
これら全て下からの発剣で刺さった。


こうなると感覚も贅沢になってきて、上からの打剣では僅かな力みも排除したくなってくる。
丁寧にさぐってみると、数段階楽に打つ形があった。
肘を畳みすぎても、伸ばしすぎてもだめだ。
前者は剣が回り、後者は僅かだが肘に負担がかかる。


理想系に向けてのアプローチのしかたは、力みたくても力めない手の内と肘の状態を作り出すことにある。
手の内は甲野先生の手の内を思い出すことで気づき直した。
肘は陽紀さんの高いところに手をのばすときに、一度腕をクロスさせながら肩を触りながら挙げると楽だというやり方の感覚で楽になった。

これでやると結果として剣の素振りでやっていたように剣先が頭上を通る軌跡を描く。
何気なく打つなら耳の横あたりの高さから発剣するやり方も出来るが、これは前後の重心移動をうまく乗せないと投げる感覚になって良くない。
どこ形でも共通して重要なのは剣先と剣全体の重さをとらえ続ける点だ。
この感覚が抜けると剣が回り過ぎて威力が下がる。


結局終電近くまでやって終了。

毎回だが、手裏剣稽古はやめ時が難しい。

2015年11月15日日曜日

柔道練習52回目『練習はトライ&エラー』

打ち込みと立技は乱取り、寝技で押さえ込まれそうなところからの逃れ。

打ち込みで先日の感覚を大事にしたいと思ってやったが、うまくいかない。
感覚がつかめないまま乱取り稽古に入ったが、体のバラバラ感がそのまま乱取りに出てしまった。
しかし今回から乱取りでは、『背負投』などの大技と『空気投げ』は、無理でも仕掛けると決めて取り組むことにした。
仕掛けてみてわかることがある。
この日は『背負投』と『空気投』を一回ずつ、それから『内股』はも思いきって仕掛けた。
どれもかからなかったが、もう少しこうすれば、という課題は見えてきた。


『背負投』
もっともっと思いきって低く入ること。

『空気投』
左手の使い方が足りない。
投げにはいるとき、相手の隅方向への重心の移動が起きていない。

『内股』
『払腰』に入るくらいのつもりで足をあげると良さそう。

入りそうもないから入らないと言うのも感覚としては正しいのだろうが、練習では失敗して得られるもののほうが多い。
トライアンドエラーで質を上げていきたい。
立技乱取りは2分を2本に、3分を1本。前回よりも練習時間を1分伸ばすことができた。
やられた形は『背負投げ』を堪えた直後の『後車』、『大内刈』に入るタイミングを捉えられての『後車』、『後車』を堪えた直後の『背負投』だった。


寝技もリクエストして2本だけやった。
上下に分かれて攻防をおこなう練習で、私が下になって守る形で練習した。
逃げるか抑え込むかまで特に時間を決めずにやったが、これも体力的にはかなりきつかった。
1本目は足を使ってのガードがうまくいって最後は私が亀になって『待て』の逃げ切り。途中ひっくり返してからの逆転を狙ったが、うまく体が動かなかった。
2本目は下から守りつつ相手の右腕をとって下からの三角を狙い右足を首にかけたところから、相手にうまく回り込まれた。
そこから返し技を狙ったが形を間違えて、最後は袈裟固めで決められておしまい。
袈裟固めからも逃げようとしたが、逃げ切れず。
ここで体力切れ。

寝技もまた立技とは違う体力を使う。
寝技の体力もつけてもっと練習できるようにしていきたい。

2015年11月13日金曜日

剣先の感覚、刃の感覚

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。


また素振り。

感覚が変わったのが面白いのでいつまでも振っていたいくらいの感じになっている。
素振りのあとは剣の稽古をSさんとじっくりやった。

間合いや剣の攻防は普段稽古していないので感覚頼りだったが、Sさんが良い稽古になったと言っていたのでされなりには動けていたのだろう。
今思えば韓氏意拳のUさんに剣の感覚を教わったことがあるので、その時の感じなどが出ていたように思う。

超ゆっくりで自由攻防をやったが、攻め手がわからず防御に徹していた。
ゆっくりでも、剣先まで感覚があるのとないのとでは触れた瞬間の作用が違う。
感覚があると触れた瞬間相手の体が崩れる。

形稽古でもSさんのやりたい稽古が出来たようで、前回さんざん『空気投げ』の稽古に付き合ってもらったお返しになっていればありがたい。

Sさんが剣先の感覚が出ているなら剣の場合は切れる場所全てに感覚があるといいのだと教えてくれた。
手裏剣は刺さるのが先端だけだが、刀は刃の部分全てが切れる場所だ。
道具の特性を感じる面白い感覚変化だった。
これを聞いて振ると、振り下ろしたときのまとまりかたが変わってきた。



剣、剣といいつつ、この日も柔道技の稽古にも付き合ってもらう。
普段やらない腰技を受けてもらった。
『浮腰
』、『跳腰』、『払腰』、『大腰』。
接触面を柔らかく保つのは腰技も空気投げも同じ。浮かせて落とすのも同じ。
Sさんが全部
空気投げ』と一緒でいいじゃないですかと言ったが、その方が面白くて良いし、私の動きにも一貫性が出て説得力が増してくる。

『内股』、『弓落』、『渦落』とやって、『体落』をやったが、どれも浮かせる働きが出るように引き手をつかう。大事なのは浮かせる動きをもらって、特に股関節を抜く感覚で沈みつつ間合いをつめること。
タイミングが同じだけでは感覚的には駄目で、”反応”でも駄目。
”作用”しなくてはならない。
これで動くと
体落も足を使わない、空気投げ』にかわる。


あぁ、Sさんとは先週かその前あたりに関節技をやろうという話をしていたのに忘れてしまっていた。
今度やろう。

2015年11月12日木曜日

空気投げ(ちょっと実践編)

中島先生主催の動作術の会@恵比寿に参加した。
恵比寿での動作術の会は、中島先生との稽古の他、自主稽古も歓迎の会になっている。
私はいまやほとんど自主稽古しかしていないのである。


手裏剣の感覚が残っているうちに、木刀で素振りをしたかった。
横でSさんに見た目の感想をもらいながら、より剣っぽい動きを練習した。
肘から先だけで振らないように。
降り下ろすときの重さを体で引き受けるように。
前方向への重心移動が剣に乗るように。

丁寧に取り組むべきところがハッキリしてきた。

Sさんがやる剣術の形稽古の相手を努めるのも動きの質を見直す良い稽古になる。


『半分だけ謙譲の美徳』も検証させてもらった。
加減の問題ではなく、どの方向の力をどこで貰うか、というポイントに辿り着いたのは大きな発見だった。
『背負投』の形では難しくて活用しきれていないが、左腕の引きを『謙譲の美徳』の感覚で左股関節でもらい、相手の中心、下方向に向かって動くようにすると、それでもかなり動きがよくなった。

八方向の『空気投げ』でも、『謙譲の美徳』は有効に働く。
使うときは全て相手を浮かす方向で、かつ自分が沈みながら技の形に向かっていくように『謙譲の美徳』を働かせる。

今回は甲野先生に先日教わった『空気投げ』を含めた六種類の形を確認した。
説明のため新しい形を仮に『弓落』と呼ぶことにする。

『浮落』前隅
相手を前方向に引き出し、斜め前上方向に引き出すのと左股関節が折り畳まれるのが『謙譲の美徳』により一致する。

『渦落』左右前隅
相手を前上方向に引き出す力を自分の股関節で感じながら、『支釣込足』の要領で足が運ばれるように股関節を抜きつつ動く。

『隅落』左右横隅、左右後隅
右足を引くのに左腕を引き上げる力による『謙譲の美徳』を働かせる。

『鶚落』左右後隅
相手の腕を後ろ方向へ浮かせつつ押し込む力を股関節でもらって沈みつつ前に出る。

『浪落』後隅
帯をつかみ、少し浮かせつつ後方に崩してから下方向に沈める。

あらたに追加
『弓落(仮)』左右前隅
左手で相手の左襟をもって弓を引くように相手を右前隅方向に引き出す力をもらって、こちらの右股関節を折り畳み、右半身になりながら右足を前に進める。

以上、八方向の空気投げ。


実践編として、三船十段の動画を見ていて感じた動きを、Sさんを相手に乱取り風の形で試したところかなりいい感じでかかった。
何度か練習してポイントとなるところもつかめてきた。
・押して近づく
・もらって動く
・浮かせて落とす


また柔道練習が楽しみになってくる。

2015年11月11日水曜日

柔道『間合いを詰める』

柔道で相手を引き付けて技に入るとき『謙譲の美徳』を使うと、相手をこちらに引きよせることができるが、そのままの状態で引き寄せるので、下手をするとこちらが体当たりをされたような結果になってしまう問題があった。
先日の稽古でNさんがスパーでやるという、ジャブで入り身をする方法を聞いて、ここに問題を解消できるヒントを得た。
『謙譲の美徳』を半分は相手に使い、もう半分は自分に使うのである。
今まで誰かに謙譲の美徳を教えるときは、相手だけでなく自分も動いてしまうことを「まだロスが発生している。」と、勿体ないかのように言っていたが、これを積極的に利用しようということだ。
つまりどういうことかというと、相手を引き寄せつつ、自分もその力を半分だけもらって相手の方向に運んでもらう。



太刀奪りの『抜け』
柔道で大技に入れないのは、間合いが遠すぎることと、それを詰められないことに一因がある。
三船十段の動画を見ていて、間合いをつめる方法がわかった。
見た目には軸足になる足もろとも相手に近づいている。
ピョンとジャンプして近づいているようだが、私がわかったのは別の方法で、ジャンプはしない。
変わりに『抜け』を使う。
『抜け』は甲野先生がやる『太刀奪り』の方法の『巴』『虎落』『抜け』『差換』のうちの1つで、手足が先に放り出されるように前に出て、そこに体がついていくように体捌きをおこなう。
これを柔道で、組んだ状態からやれば良い。
例えば払腰なら右足を払う位置に飛ばしてやり、そこに体が太刀奪りの要領でついていけば、適切な間合いで技に入れるはずだ。



次の練習では、半分だけ『謙譲の美徳』と『太刀奪り』の『抜け』で動いてみよう。
まずは打ち込みから。

2015年11月9日月曜日

手裏剣稽古会『剣の振り、空気投げ、半だけ謙譲の美徳』

松聲館でご一緒したことのあるNさんが初参加。
常連のSさんと世話人のOさんと稽古を開始した。

Oさんはお仕事で途中まで。
Oさんは普段されている剣術と中国武術と手裏剣稽古を結びつけて稽古されているので、自分で自分が止められない状態になっている。
夜中一人で稽古を始めてしまって翌日後悔することがあるほどだそうで、羨ましいようなそうでないような感じである。


Sさんから、たいさんは打つぞという感じが出ているという感想を貰った。
気配を出しているつもりはなかったが、広背筋を意識して打っているので、背中の気配は出っぱなしと言えばで出っぱなしだ。
広背筋の意識を抜けば気配もそれなりに消えるが、重さを乗せる感覚まで消えてしまう。難しいところだが、この形では重さを乗せる感覚を育てることを優先したい。
一方Sさんは以前から柔らかい手裏剣を打たれている。
たまにSさんのやる手裏剣の質で稽古しておくと、直打法らしさを感覚的に取り戻せて良い。

先日発見した腰の落下で手裏剣がどうなるか試してみた。
この形は姿勢の関係で広背筋は解けてしまうが、『浪之下』の重さはこれまでで一番乗ってくるようなので試してみる価値はあると考えた。
やってみると見た目が楽そうに見えると、評判がいい。
腰も楽なので感触もいい。
前に進みづらいのだが、うまく重心を移動させてやれればそれも解消できる。

Sさんが先に帰り、初参加のNさんと手裏剣の技術について話ながら練習していると、剣術の素振りの感覚が強く出てきた。
感覚的には剣先が頭上を直線上に進むが、実際は関節の構造の関係で僅かに円の軌跡を描く。
この軌跡が手裏剣を打つ際の距離を調整する軌跡と一致すると、軽く、速く、重く刺さる打剣となる。
手裏剣でこの確かめてから木刀を振ると軽く、速い。Nさんが見ても明らかに速いという。


Nさんは講堂館でも練習されていた柔道有段者でもあるので、最新の『空気投げ』を受けてもらって感想をいただいた。
「これはかかる。」
さすが色々な武術に精通されているだけあって、空気投げがここまでの出来になるまでの苦労も推し量ってもらい、新たな理解者を得たりという気持ちになった。
こうなると(だいぶまえからいっているが)後は私が身に付けるだけである。
他にも八方向の空気投げを受けてもらい、落技の原理がみな同じであるところまで、捲し立てるように説明してしまったが、やはり一発で理解してもらえた。


半分だけ謙譲の美徳
Sさんがスパーリングでやるという、ジャブから入り身へのテクニックを紹介してくれた。
これが柔道にも応用できそうだった。
原理的には『謙譲の美徳』をつかうのだが、柔道で相手を引き付けるときに使うと向かってくる相手に勢いがつきすぎて、こちらから技に入りにくいという課題があった。
今回の場合は半分だけ『謙譲の美徳』を使うと言える。半分は相手がこちらに近づくのに使い、半分はこちらが相手に近づくのに使う。
『大外刈』で試したが腰の落下も使ってやると効果的なようだった。
試していないが『背負投』に入るとき、これがうまく使えると、こちらが相手の懐に入り込む時間、相手の制御を奪えるかも知れない。
そうなると全部これで良いような気がしてきた。


この日は腕相撲の強いSさんと、研究中のNさんの腕相撲の研究をしたり。
私も全く鍛えていない割に意外と健闘できたり(背中を使う)。
Nさんと甲野先生の最新術理の話と稽古をしたり。

手裏剣稽古会と題しながら、色々稽古が出来てこれはこれで充実した稽古になった。

2015年11月8日日曜日

柔道練習51回目『亀を返して抑え込む』

今日から一般の練習時間を小学生の時間からずらすことになった。
時間こそ短くなるが、これまでとは密度が違う練習が出来る。


基礎練習、打ち込みの後はSさんと乱取り。
この日は二分を三本やったが、ようやく体力が続くようになってきた。
疲れてしまっては質の良い練習は出来ない。
三分を五本くらいは練習できるくらいの体力は欲しいところだ。


乱取りで大技が出ない。
背負投はしゃがみこむくらいでちょうど良いというアドバイスを受けた。
それを聞いて試すが遅い。
打ち込みで崩しのところからしっかり練習する必要がある。


それから癖になっているようだが、相手にぶつかりにいくのを無意識に避けているようだ。
体当たりするわけではないが、重心を奪える位置取りに必要なら、押し退けてでも動かなければならない。


この日の乱取りは甲野先生に教わった空気投げが大きく崩すところまで入ったが、後は足技がようやく出る程度だった。
逆に体落と背負投で何本か投げられた。
足技にはかかりにくくなっているようで、足技のかかりにくさと手技のかかりやすさに落差があるようだ。


乱取り後、寝技の練習もリクエストして少しだけやった。

・亀を返して押さえ込む形
・下から攻めて返して押さえ込む形(高専柔道より)
・亀の防御から絞めに入る形
(高専柔道より)

上のひとつは先週もKさん(黒帯のパパさんは二人になったのでKさん)と一回おさらいしたもの。
下の二つは高専柔道の教科書にある、防御が大変に困難と言われる技で、寝技の柔道をされている方から紹介されたものだった。


私が亀を返して押さえ込むとSさんに驚かれた。
立技の感触と比べて力強く感じるのだという。
何度かやるがほとんどが押さえ込むところまでいけた。
最後の一回は押さえ込みから逃れられそうになったところを腕十字に入る動きが自然に出て、これにもSさんは驚かれていた(私も内心驚いていた)。

腕十字にスムーズに入れたのは中井祐樹先生のセミナーに出た効果だろう。


関西方面で七帝柔道をされている方から紹介していただいた高専柔道の返し技と絞め技を練習した。
下から攻めて、返して押さえ込む形も、手順を思い出しながら検証的に受けてもらって、返すところまでもっていけた。
講堂館柔道のルールではこの形になることは少ないが、覚えておきたい。
亀にたいして(に限らない技だが)、防御困難な絞技もSさんに受けていただいた。
送襟絞を警戒して両手を首にあてて亀になっているところでも、この絞め技で入るとかかる。
最後、絞り方にコツがいる絞め技でこれも身に付けておきたい。
どちらも防御困難という技と説明にあったが、身に付ければ強力な武器になる。


2015年11月6日金曜日

新発見『腰の落下』

先日、地味な発見があった。
地味というのは私にしか感じられないので誰かに話して見て貰ってという発見ではないという意味だが、実は大きな発見だったと気づかされた。


歩くときや階段をのぼるとき、膝や股関節を折り畳んで体を落下させ、その動きを貰って動くと楽に動ける。
先日階段を上ろうとしたときに突然、この落下の感覚が変わった。折り畳むというより、腰が落っこちるといった方が感覚に近い。
これで落下を発生させると今までよりも腰が楽なので、これはいいなぁ、などと思っていたのだ。
このときは本当に単に階段をのぼるときに腰が楽になって嬉しいと、そう思っていただけだった。


それが後日(と言っても数日後)、甲野先生の稽古会で聞いた、身体の右側面から見てひらがなの『し』の字の形に感じられる『身の規矩』になる感覚の説明が、自然と私の『落っこちる腰』の感覚と結び付いた。

それで暫く抜刀や歩法の練習をしていたのだけれど、確かに楽に動ける感覚がある。
楽になるのは階段をのぼる時だけではなさそうだった。



『浪之下』
浪之下は身体のまとまりを見るのに良い稽古だが、特に落下の質を練るのに適していると思う。
常連の方に膝・股関節抜きの感覚で動いた場合と、腰の落下で動いた場合とでの違いを浪之下を受けて見てもらったところ、後者の方が明らかに止めにくそうだった。
またサッカーをされていて、最近は甲野先生の浪之下に潰されずについていけるようになっている同じく常連の方にも受けて貰ったが、やはり有効だった。


『浪之上』
同じ感覚で今度は上方向だ。
我ながらこれは強力だと思う。
一度落下してから上がるのだが、落下は例の腰の落下でおこなう。
落ちたら、今度はその動きをもらったまま上がる。
もう少し詳しく説明すると、腰の落下で体幹部とともに肘を落としつつ、わずかに前方向の重心移動を発生させ、その動きをもらって今度は指先を先端として『辰巳返し』に近い感覚で手を挙げる。
もちろん落下と前方向への重心移動は小さければ小さいほど技としては高度になっていく。


『大外刈』
柔道未経験者の方に、腕を突っ張って距離をとるという、『大外刈』の単純な防ぎかたを説明して、力で入る場合と、腰の落下で近づく場合の違いを検証した。
腰の落下で近づくと、腕が突っ張れずに入れる上に、近づいた時点で腰が崩れるという現象が起きた。
だいぶ条件を限定してしまったので、乱取りなどでどうでるかはわからないが、動きの質をこの方向で変えてみるのはありだろう。
何より腰が楽なのだから、楽で効果があればそれに越したことはない。


『背負投』
これも同じ質で動ければよさそうだが、向き変わる動作が階段をのぼるときの感覚と遠いためにやりにくい。
応用するためには腰が落ちる感覚が普通になってからが良さそうだ。

2015年11月5日木曜日

松聲館の今を稽古する

恵比寿で毎月開催されている中島先生企画の甲野先生との稽古会に参加した。
『松聲館の今を稽古する』と題されるこの稽古会は、講座ではなく稽古会である。
甲野先生ももちろん、参加する我々も同じ空間で稽古するという企画で、
新しい発見が生まれることの多い、大変興味深い稽古会になっている。


・柔道技に有効な、弓を引く感覚による甲野先生の『空気投げ』。
相手の足の位置によって左右どちらから攻めるか判断する。


右自然体、順に組んだ場合で相手が右足を前に出していたら、右手で左襟を引き出し、左手でその襟をつかむと同時に右手は相手の左肘下に差し込む。
左手肘を弧を描くように開きながら引き、同時に相手の肘を下から挙げると、相手は大きく崩れてそのまま投げられるか、何とか足で残ろうとする。
足で残ろうとした場合には内股のように右足で相手の左足を付け根から跳ね上げると良い。


・身の規矩(みのかね)
四方輪かリクライニングシートの感覚か、身体の右側面から見ると『し
』の字のようなルートを通る力というか、感覚があってそれにしたがって動くという。
久しぶりに先生の抜刀を見たが、以前とは違う雰囲気で、動きにも変化が現れ始めていた。
普通に動くと(感覚的に)横のラインが出るがそれが出ないように動くのだという。
抜刀だけではなく、納刀も変わりそうだった。切っ先と鯉口を合わせにいく感覚とは全く異なる感覚での納刀になりそうだとのことだった。
まだこの日やり始めたばかりで先生も探り探りという感じだったが、見るからに今までとは違う質の動きが生まれてきていた。
この日は先生が抜刀をやるのをずっと見ていてもいいんじゃないかと思えた。
体を折って畳むのではなく、圧力がかかって縮むように、但し全体が太くなって縮むのではなく、真ん中辺りが膨らんでくるように縮むのだという。


続いてその身の規矩に沿って体術への展開を試みる。
座りでの『正面の斬り』を受けたが、おそらくただただ身の規矩にしたがって動こうとされていただけだと思われるが、受けている側としては接触面の向こうに静かに存在する大きな力があるように感じられて非常に興味深かった。


後で先生自身が分析されていたが、体術に応用するには抜刀で身の規矩を作ってからの方が良さそうだとのことだった。

この日は他にも稽古したが、最後の最後に手裏剣を見ることができた。
恵比寿の道場では床や壁を傷つけてはいけないので手裏剣はやっていないのだが、この日は甲野先生特性の真鍮製のキャップを付けた手裏剣と御座を使って実現できた。
三間強の距離からでも至近距離からでも同じように刺さる。
御座の後ろから見せていただいたが、きれいな直打法の軌跡を描いて飛んでいた。


非常に得るものが多い講座で、個人的にも大きな発見があった。
長くなったのでこの話は次の記事にしよう。

次回の開催は確か12月の3日だったと思うが、中島先生からの正式な発表を確認していただきたい。
参加資格は、「過去1度でも甲野先生のセミナーに出たことがある人。」です。
参加資格を得たい方は、11月13日に毎月第2金曜日、池袋コミュニティカレッジで講座が開催されているので、そこに参加されるかご都合の合う方は11月20日(金)の綾瀬にある東京武道館で開催されるセミナーに参加されると良いと思います。



2015年11月1日日曜日

柔道練習50回目『新メンバー加入!!』

新たに中学生が参加することになって、一般の部が賑やかになってきた。

打ち込み、投げ込み、乱取りとセットで練習できるようになって、充実した練習が出来るようになってきた。

惜しいのは体力不足。まだまだ練習したいのにバテてしまって体が動かなくなってしまう。
これも少しずつ解消していきたい。

Sさんと打ち込みと乱取り

新加入のSくんと打ち込み
最後にKさんと亀を返して押さえ込む形のおさらいと、返しながら送襟締に入る練習を一回ずつやって終了。

一般の部として練習時間をずらす話も出てきました(^-^)v
道場が盛り上がってきて嬉しいです!!


2015年10月31日土曜日

甲野善紀×武蔵一族

ハロウィンで賑わうなか、田端の道場に忍者装束に身を包んだ人達が集まったが、コスプレでもハロウィンパーティでもない。

田端にある武蔵一族の道場に甲野善紀先生を招いて開催されたセミナーに参加した。

楽しみにしていたのは、甲野先生による手裏剣の説明だった。
普段、車剣(星形の十字手裏剣)で稽古することが多い、武蔵一族の方々に棒手裏剣を説明するのだから、普段は当たり前にやっているようなポイントもあらためて説明してくれるのではと期待していたのだ。
それに忍者からの質問なども面白そうだ。


体術、剣術などやってからいよいよ手裏剣術の実技と解説が始まった。

持ち方
指の関節の名前と指の皺の名前から説明が始まった。
甲野先生らしいと言えばらしいが、やたら難しい名前の関節だったので忘れてしまった。
爪に一番近い関節の事だったが名前が気になって詳細が入ってこない。
指のどのあたりに触れるかという話だったと思う。

距離の調整のしかた
直打法ではどの距離でも剣が90度回転して的に刺さるように、手の離れを調節する必要がある。
その方法は、距離に応じた円の軌道を描くようにして調節する。

先生が目指している技術。
手の内の摩擦などに影響を受けず、僅かな動きで必要な力を手裏剣に与える。
具体的な課題は湿気による手の内の変化だ。打ち方を変えれば対応は出来るが、それに影響されずに打てないかと考えられているのだろう。
十字手裏剣
スペシウム光線のように両手を使った手裏剣の打法を紹介された。
接触の感覚で刺さる位置をみて微調整を行い、感覚を掴むと良いそうだ。
100回も打てばかなり精度が上がってくるだろうと話されていた。

弓を引く
襟を逆手に掴んで肘を張るようにして上横方向に引き出しつつ、落とし投げる。
弓を引く感覚で投げるというこの技は、新しい形での『空気投げ』だ。
意表をつく方向から力が加わるので、柔道でも有効な技に感じた。

習志野さん主催の稽古が日程変更になり、すっかりご無沙汰してしまっていた武蔵一族のバネッサ朱雀代表にも久しぶりに挨拶が出来た。

手裏剣以外にも新しい柔道技として甲野先生による『空気投げ』を教わることが出来た収穫の多い講座だった。

2015年10月30日金曜日

投げと剣

抜刀で手裏剣が変わった。
剣先を強く感じるようになり、この感覚で手裏剣の飛距離がのびた。

さて今度はこれを体術の投げに応用したい。
応用すると言っても手裏剣の直打法の形で投げるのではない。
形を合わせるのではなく、剣先を強く感じる状態で投げを打つとどうなるか、試してみようと言うことだ。

うまくいけば投げに必要な要素である、繋がりを保つことになるのではないか。


Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。
まずは木刀による素振りで先端の感覚を確認する。
期待通り、手裏剣で強く感じた先端の感覚が木刀でも感じられ、素振りの感覚も全く変わって、以前よりも早くなった。
以前は木刀に感じる重さを軽くしようというアプローチで振っていたが、先端を感じてその動きを見失わないように剣を振ると見た目にはコンパクトだが、感覚的には自分の外側にはみ出ないギリギリのラインを通る大きな軌跡を描いているような振りになった。
別の言い方をすれば、先端は常に外側に向かって飛び出し続けようとしている感覚とも表現できる。
鞘なしでやったが抜刀の形でも、剣を抜く前から先端を感じていると抜くときの剣先が飛ぶ感じが違ってくる。



横で素振りを見ていたSさんが「ずっと剣を稽古してきた人みたいだ。」という感想を漏らしていた。私が感じた変化は剣をやっている人から見ても理に叶っている動きだと言うことで、これは素直に嬉しい。

抜刀のとき、腰が回っていて半身になっていないというので、改善のアドバイスを受けるとまた動きが鋭くなった。
股関節を抜き続ける感じで、かつ自身の重心の中間が保たれるようにすると、体が開いて剣が抜ける。


この動きがうまくいっているのかどうかは、同じ体捌きで人を相手に柔術の形で崩し投げられるかどうかで判定できる。
腰が回るとぶつかってしまって投げられない。


さてこの感覚を最終的には『空気投げ』に繋げたい。

『浮落』との相性がよさそうだったのでSさんと『浮落』をはじめとしたいくつかの技の形を借りて試した。
『浮落』『渦落(支釣込足)』『送足払』そして『隅落』だ。
どれも原理は同じだが、手裏剣や剣を人間に置き換えたときの先端はどこなのか、動きによって違うのか、一つずつ確かめていった。
『浮落』は相手の先端は、腕、或いは頭のてっぺんでもうまくいった。
『渦落』は右肘
『送足払』は左腰と右肘(円)
『隅落』は右肘


ここから、浮かせて落とすという要素を忘れてはいけない。
浮かせる動きは、重心の移動と身体の伸びで行う。
これらが一致するとゆっくりでも大きく投げることが出来る。
固い受けをしてもらった場合は、少し早く動くと良さそうだった。
しかしこれは相手の状態によって、速度を調節するのではなく、ある動きの原理に従うと、自然と適切な速度になるというのでなければならない。
そうでなければ全てが後手に回ってしまう。
この動きを手にいれる鍵が先端を感じながら動く感覚にあるのではないかと思えるのだ。
これは面白い。




2015年10月29日木曜日

森田真生著『数学する身体』

急速に手裏剣との一体感が増してきたのはなぜか。
身体の準備ができていたのは前提にあるにしても、きっかけはちょうど稽古前に読み終えた森田真生著『数学する身体』の影響だと思われる。



この本は、数学が発展してきた歴史と現在を、著者の身体感覚を通した言葉で語った本だ。

この事は著書の中にもミラーニューロンの説明で書かれているが、身体感覚は空間を超えて伝播する性質がある。
武術稽古をしていても身近に感じられる感覚だが、この本を読んでいると、著者の身体感覚が文字を通じて伝播してくるのを感じる。


書かれている内容に身体レベルで共感すると言ってもこれだけではピンとこないかもしれない。
具体的に言うと、アルゴリズムが考案されてから代数による一般化の話を読んでいるときは、私が『空気投げ』の解明に見た目を順に真似るやり方から投げる直前の形から成立条件を逆にたどって1つの正解にたどり着くというアルゴリズム考えた点、やり方が理解できると同じ原理で様々な技を説明できるようになり『空気投げ』に技の根本原理を見いだした点などが挙げられる。
これだけでは単に共感しただけだが、ちょうどチューリングについて書かれている辺りから機械が心を持つのかといった話題に触れられている場面を読み進めながら、同時に手裏剣を思い浮かべていた。


ここから本の中の数学は、さらに奥へ入っていくのだが、私がはっきりと感じられたのはここまでだった。

私が感じられるのは身体の準備が出来ている範囲だけだ。そのすべてが完全に伝わるわけではない。
伝播していないのではなく、感じられない部分があるということだ。
この先、芭蕉の『 光いまだ消えざるうちにいいとむ』や、岡潔の『数学は情緒である』といった言葉に対しても、伝播の影響が認識できる日が来るかもしれない。

2015年10月28日水曜日

棒手裏剣『上下左右からの打剣』

Oさんの好意で利用させていただいている人形町の稽古場で棒手裏剣の稽古を行った。


抜刀の感覚で手裏剣を打つと期待した通り、手首を捏ねてしまう動きが出なくなる。

ここからさらに広背筋の感覚をキープしたまま腕の振りを小さくしていく。

抜刀の感覚で試す。
抜刀の形で手裏剣を打つ。
抜刀の感覚で試す。

これを繰り返すうちに、はっきりと重さの乗せ方がわかった。
抜刀でつかんだ感覚を手裏剣に転用できた。
最後まで剣先が活きるように先端が手前に戻らずに、行き続けるような感覚で打つ。
剣の重さを感じ続けながら腕を振る。

動きを大きくして打つ。
動きを小さくして打つ。

重さを乗せる感覚は、手の内を使わない感覚。
手先の器用さは関係ない。
関係ないので不器用な左手でも同じ感覚で打てる。
少し前の右手よりもいい。
見違えるような打剣が飛んだ。

この日ついに、人形町最長距離の三間を左手で通すことが出来た。

まだ終わらない。
剣先の感覚が強くなってくると、下段からの発剣にも変化が出てきた。
まず、右が二間の距離まで通った。
続いて、左は挑戦した記憶もないが、できる感じがしてやってみたら一間強で通った。これはちょっと前の右と同じであり、自分でも驚く進展だ。


<まとめ>
上段右…三間で安定、重さの乗せ方がわかった。
上段左…三間が通った。距離は右よりも出せそう。
下段右…二間が通った。剣先を感じる感覚が濃くなった。
下段左…一間強が通った。

上下左右どこからでも打てるようになってきた。


2015年10月26日月曜日

上達のライバル達

もうすぐ1才になる息子が、つかまり立ちからのつかまらず立ちが出来るようになった。
家族で褒めるものだから何度もやってくれて、どんどん上達してくる。
翌日には立つだけではなく、立ったまま拍手が出来るようになっていた。
恐るべし。

娘にせがまれて柔道練習の後に温水プールにいってきた。
先日お風呂に水中メガネを持ち込んで潜って遊んでいたのだが、
それでプールに行きたくなったらしい。
娘は顔を水につけるのも苦手で大変だったのだが、ことしの夏でそれは克服していた。
しかし、鼻に水が入るのが嫌でしょうがないらしく、必ず鼻をつまんで潜っていた。
けのびもバタ足もすべて鼻をつまんでやるので、見るからに泳ぎにくそうだったのが、
この日、鼻から手をはなせるようになった。
そうなると楽しくなってきたのか、けのびも一気に上達して、
結局5mも泳げるようになってしまった。
恐るべし。


身近に上達の喜びを感じているライバルがいると、私も負けていられないのですよ。


2015年10月25日日曜日

柔道練習49回目『隅返』

今週もS先生とSさんと練習が出来た。

立ち技の練習。
打ち込み
投げ込み
乱取り


打ち込みでは力を抜いて相手に入る形を覚える練習をするとよいとアドバイスを受けた。
相手と密着する距離で技を掛ける。
次の技は特に意識する。
『大外刈』
『払腰』
『跳腰』
『内股』
『大内刈』
『小内刈』


投げ込みを練習したあとは乱取り稽古。
Sさんは勘を取り戻しつつあるようで、私は『背負投』を何度もくらって、前回大きく崩せた『支釣込足』は崩しにくくなっていた。
前回一度仕掛けることが出来た『空気投げ』には入れず、代わりにではないが一度だけ『隅返』がきれいに決まった。
『隅返』は練習していないのに出すとなったら決まる感じがして出せる。
初参加の市民大会でも、私に勝ってそのまま優勝した方を相手にして、
決まったのだから相性がよいのかもしれない。
しかし捨身技ばかりには頼れないので、起死回生のとっておきにしておこう。

それにしても練習が楽しい。
時間と体力が無くならなければいいのにと思う。

2015年10月24日土曜日

釣りで学ぶ『誘いと機』

最近の週末は娘と一緒に釣り堀に通っている。
餌をつけて糸を垂らす、シンプルな浮き釣りで鯉を狙う。
浮き釣りでは、浮きの反応を見て竿を素早くあげるいわゆる『あわせ』で針を魚に掛ける必要があるが、このタイミングがなかなかシビアな時がある。
浮きが少し反応した程度では、まだ魚が餌をつついている程度で、あわせても針は掛からない。浮きが完全に沈んだところであわせる必要があるが、遅すぎると餌を吐き出されてしまっていて掛からない。

このタイミングが魚の調子によっては非常に厳しい時がある。
ピクピクと浮きが反応しているが、沈みそうで沈まない状態が続いたと思ったら、一瞬深く沈んですぐに浮いてきたり、ゆっくりと沈んであわせるタイミングを失ったり、そうこうしているうちに餌が無くなっている。

それでは今度は早めに反応してやろうと待ち構えていても今度は無反応だったりして、こちらの集中を乱される。


先日、常連の釣り師があるテクニックを使っていることに気がついた。
うまくいくとあわせるタイミングをこちらである程度構えることが出来そうだ。
そのテクニックとは『誘い』と呼ばれ、ここで餌に食らいつくはず!という状況をこちらから作り出すことで、機をとらえる確率をあげる。


具体的には餌を落として着底した直後、あるいは落とした後で動かして浮かせ、再び着底した直後のタイミングを狙う。
餌が底に着くタイミングは予測ができるから、その直後にくる合わせのタイミングに集中すればいい。



柔道でも誘いからの仕掛けは有効だ。
やみくもに仕掛けるのではなく、相手の反応を誘って技に入る。
例えば背負い投げが得意なら、相手がこちらを押し込んでくるような動きを取ったときに入りやすいのだから、そうなるように仕向ければよい。
誘い通り動いてくれたらしめたもの、合わせればいい。


釣りもなかなか勉強になる。

2015年10月23日金曜日

浮かせて落とす、誘って消える、肘を肩で消す

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。


最近の進展は今までとは違う形で出てきている。
今までは、教わったことそのものが新しい動きであったが、最近は違う。
教えてもらっていることはわからなくても、それを聞いて動いた体は本人が思っている以上に応えてくれることがある。


最近ではこれらがそうだ。
・足の『ヒョウ拳』
・手の内が変わらない抜刀
・浮かせて落とす『空気投げ』

ここから下はこの日の稽古でわかったもの。
・誘って消える『燕返』
・肘を肩で消す『袖釣込腰』
・肘が動くと全部動く『背負投』


相手を浮かせるためには突っ立っていてはだめだ。
柔道で言えば自然体で、いつでも動ける状態である必要がある。
相手に触れたら相手が浮くように、重心の移動を相手が浮く方向に転換する。
近づきながら押して浮かす、近づきながら引いて浮かす。
『大外刈』がきっかけで、Sさんに『空気投げ』への転用を提案され、全ての技に転用出来そうだという感想をもらった。
浮かせてしまえば軽くなる。
ここに投げの秘密があるようだ。

『誘って消える』とは、Sさんが説明してくれた剣術稽古の話で聞いたフレーズだ。
甲野先生の稽古でいうところの『太刀奪り』の稽古がこれに近い。
『太刀奪り』が相手の剣を奪いにいく攻めの動きで誘うのに対し、Sさんが言う剣術では相手に斬らせる隙を見せてそこからいなくなることにより誘う。
まだ実際には応用していないが、燕返がこの考え方で動くことができる。
うまく整理できたら投げ裏の形が誘いによって成立する。
この日はSさんがやる剣術の形で、試しに私が取りでやってみたところ、意外に成立していたようだった。


肘を肩で消すのもSさんの剣術の稽古の話から聞いた。
話の流れで私が『袖釣込腰』を説明したところ、肘の気配を消して入る方が良さそうだという感想とともにやり方をきいたものだ。
肘を曲げるときに肩があがらないように意識するという注意なのだが、これを意識したところ、肘を動かす際の気配が消えたようだった。それに動きが鋭くなったように思えた。
そこで個人的に『袖釣込腰』よりも肘が気になりやすい『背負投』で意識して試したところ、やった自分が驚く速さで入ることが出来た。
背負投げでは、自分の右肘を相手の右脇の下に当てる。肘の気配が消えて脇に当てるまでにかかる時間が短くなったのは期待通りと言えば期待通り。
驚くべきは肘が脇に当たったときにはすでに背負い投げの形に入っていたことだった。
肘の気配が消えることで、からだ全体の速さが引き出されたようだ。


これは今度の柔道練習が楽しみだ。


2015年10月22日木曜日

抜刀術『手の内』

恵比寿でおこなわれている動作術の稽古会に参加した。
恵比寿での稽古の特徴は、中島先生の説明を聞いて稽古するも、自主稽古するも自由なところだ。



1本足のバランスボードに片足立ちで乗る練習をしてみたり、ジャンプして飛び乗ったり、その後で両足で乗ってみたりして遊んだ。
狙った位置に飛び乗れて、バランスを保ったまましゃがめれば担ぎ系の柔道技が変わりそうだと思ってやったのだが、慌てて制御を失うほど崩れるわけではなかったが、綺麗にしゃがむのはなかなか難しかった。



先日理解できた柔道の『大外刈』の打ち込みで足を大きくあげる意味をSさんに説明しながら受けてもらったところ、それを『空気投げ』でやったらどうかと提案された。
言われて思い出すのは三船十段の説明だ。
持ち上げて落とす。そんなことが著書のどこかに書かれていたような気がする。


とにかくSさんに受けてもらうと、この要素は『空気投げ』にも必要そうだという。
『大外刈』がまさにそうだか、浮かしてしまえば相手は急激に軽くなる。
Sさんいわく、スピードにのったジェットコースターで、上りから下りへと切り替わる頂点で体が宙に浮くときのような感じが大事だという。


やみくもに持ち上げようとしてもジェットコースターの感じはでないが、接触面と方向を形通りにやると相手が軽くなる。
そこが頂点だからそこから落とすと投げになる。
ここでも大事なことは、相手との繋がりを保つこと、動きを途切れさせないことである。
この質の動きはやったことがある。押しながら、体は沈みながら(ここはまだ検証の余地がある)相手を浮かせる。
途切れないように気を付けることが出来たら、うまくいくかもしれない。



Sさんが最近理解が進んだという剣術(居合い)の説明を動きと共に見せてくれた。
Sさんにとって大きな発見だということは伝わってきたが、正直に言うと説明の内容にはついていけなかった。
普段剣術の練習をしないので、言葉も動きもピンとこなかったのだと思う。
私がなぜ剣術(特に抜刀)をやらないのかと言うと、自己流で練習してみても、手首に大きな負担がかかるのが感じられて、やりたくなくなってしまっていたのだ。


ところがSさんの説明を聞いていて、手首の負担を無くせる動きが出来そうな感じがした。
鞘なしの木刀だったが、抜刀の練習をしてみると、今までとは手首に感じる負担が全く違う。
全体的にとてもしっくりきて、これなら続けて練習しても楽しくできそうだった。
道場にある大きな鏡の前で自分の動きを確認してみても、今までとは比べ物にならないくらいスムーズに見える。
これまでは抜刀の動作の中で、手の内が思いっきり変わってしまっていて、手首に負担がかかっていたのが、今回理解した手の内が変わらない動きをすることで解消された。
こうなると面白くなってくるなぁ。

2015年10月21日水曜日

棒手裏剣『下段からの打剣』

Oさんの好意で利用させていただいている人形町にある稽古場で手裏剣を稽古した。
今回はOさんとHさんが参加出来た。



広背筋が抜けない範囲で動くのは間違いない。

Oさんは以前私が予言した通り、手裏剣と剣術が繋がって面白くて仕方がない状態になったようだ。
夜中の稽古が止まらなくなって、仕事にも支障が出始めているらしい。


しかし私も人のことはいえない。
手裏剣稽古は毎回終電近くまで続けてしまう。やめ時が難しいのだ。
この日は動作術の中島先生が人形町で稽古していて、その稽古終わりの食事にOさんが合流するタイミングと、Hさんがいつもより早めに帰宅するタイミング、それから少し遅れて私が中島先生に合流するタイミングの全てを意図的に逃して、ようやく終わったのは終電が迫った23時過ぎだった。



三間の距離で打っていると直打法の感覚に変化が出始めた。
Oさんから紹介された、まるでこん棒のような木刀?を操る動画を見たのがきっかけはだった。
動く前から剣が手から離れるまで動きやそれに伴う重さの変化を途切れずに感じ取れているか、丁寧に動きを見直してみたのだ。
腕をあげていよいよ打つ動作に入ってからではなく、最初から最後まで丁寧に自分の動きを感じながら打つ。
これがよい。
最近はこのような変化が増えてきている。
何か刺激になるような技や動きを見たときに、それをそのまま真似してその効果を実感するのではなく、それを切っ掛けにして反応した感覚で動くと効果を感じるというものだ。
甲野先生が色々なタイプの人と稽古をする目的はこのような変化が訪れるのを期待してのことなのだろうと思えてくる。



手裏剣が的に刺さる精度は前回とそれほど変わった感じはなかったが、打つ動作の方向性は定まってきた。
背中が抜けないように動くのはもう必須といっていい感覚になってきた。
この感覚に従うと、左の飛距離ものびてきた。


途中、気分転換に下段からの手裏剣を試すとそれをみたOさんにずいぶんと驚かれた。
まだ二間弱の距離でしか刺さらないが、重さはのっている。
下段からの発剣は、感覚では掴んでいるものの、やり方の説明が難しい。
重力に逆らうので直打法を上下逆さまにしたようにはならないのだ。
重さを感じながら剣を運ぶ。
あるところで剣が手から抜けていくのだが、それは水平になりかけるくらいで剣が飛ぶ感じでちょうどよい。


手裏剣は自分のやっている動きにリンクして上達するのが面白い。
そのうち柔道が上達すれば投げ技と手裏剣が繋がってくるかもしれない。

2015年10月20日火曜日

甲野善紀先生から合気道個人レッスン(?)

BULINK主催で毎月開催されている綾瀬にある東京武道館での甲野善紀先生の稽古会に参加した。

ここはスポーツや介護、日常動作に至るまで様々な興味を持った人がよく集まる。
この日はボートレーサーの方が質問されていたり、先日はゴルフプロがスイングについて質問していたりしていた。
何もやっていない人も興味があって参加されていて、楽しんでいる。
平日の夜だが講義だけではく動きをみたり体験したりしたい方にはおすすめの講座だ。
もちろん、体験せずに見ているだけでも良い。


私は夜間飛行のメルマガ動画撮影でお手伝いさせてもらっている関係で、同じグループであるBULINK主催の綾瀬ではスタッフとして参加している。
スタッフとして、なるべく積極的に参加者のかたに話しかけて、そのかたの興味に合わせて甲野先生の技の解説をするように心掛けているが、私は話が上手ではないし、話しかけてよいものかどうか判断がつかなくて迷うこともあって、本当は聞きたいと思っているかたに話しかけられていないかもしれないし、その逆もあるかもしれない。
結局、自分の直感で話しかけて、『辰巳返し』や『謙譲の美徳』、『浮木之腿』の説明をしながらシンプルな形で体感してもらうと概ね反応がよい。
特に『謙譲の美徳』は受けた感じもやった感じも、いわゆる普通のやり方と大きく変わるので面白がってもらえたようだった。


少しでも面白さを伝えられたら嬉しい限りだ。


途中、合気道の演武のような形で甲野先生の技を受けた。
合気道の経験者が受けているのを見たことはあったが、受けるだけででなく、私が先生を投げるのは初めてのことだった。
今まで受けた甲野先生の技の印象とはちょっと違う。
こちらの動きの邪魔をせず、かといって強力な力で従わせるわけでもない投げ。
「空気投げをやるというならこれは知らないとね。」
参加された皆様には(私にも)唐突な空気投げの話題だったが、つかの間、大変貴重な、甲野先生による合気道の個人レッスンを受けることができた。
この感覚は柔道技に繋げていきたい。


2015年10月18日日曜日

柔道練習48回目『投げ込み!!』

徒歩2分、地元の道場での柔道練習。
0才の息子にご飯をあげてから、遅れて参加した。

道場につくと子供たちが寝技と受身の練習中だった。
人数もぴったりで、2人組みのメニューで人が余らず、私がヘルプで参加する必要はなさそうだった。

広くない道場だがスペースを見つけて、自転車反対漕ぎと、BJJの中井祐樹先生に教わったその場で出来るエビで一人練習をしていたところ、S先生が声をかけてくださって、抑え込みからの逃れの練習が出来た。
今のルールの20秒以内とはいかなかったが、どの抑え込みからも逃れることが出来た。
簡単には外れない程度の押さえかたをしてもらっていたので、体にバネがあるという評価をいただいた。
寝技を全く知らなかった頃は、抑え込まれてしまうとどう動いたらよいのかわからず、やみくもに体力を消耗していたが、それに比べれば随分と動けるようになってきた。
相変わらず体力は消耗しますけど。
・横四方固めからの逃れ
 エビ。これに尽きる。
     隙間が出来たら膝を入れる。
・上四方固めからの逃れ
 その場で回転。ブリッジ。足を掛ける。
・袈裟固めからの逃れ
 足を掛ける。腕を抜く。抜いたらエビと回転。
 相手が胸の上にのってきたらブリッジ。


亀になった相手の返し方
・背中にまたがったところから、帯を持って引き揚げ、
 足を差し入れると同時に脇の隙間から手をさしこんで襟を掴む
 横方向に転がって、相手をひっくり返しつつ自分は相手の上に来るように体を抜いて、変形の上四方固めに入る。


打ち込み、投げ込み、乱取り
この日は途中からS先生の息子さん(黒帯、柔道は10年ぶり)が参加されて、私と組んで練習することになった。
この日ほど色々な技で投げ込みをやったのは、初めてだった。
打ち込みから
大外刈
背負投
体落
大内刈
小内刈

そして投げ込み
大外刈
背負投
体落
大内刈
小内刈(押す版、引き付ける版)

そしてこの練習を経てからの乱取り稽古は今までとは全く違っていた。
『どうすれば良いかわからない』状態だった感覚のなかに『こうなれば投げられる』というものを感じられるようになっていた。
わずかな投げ込みの練習でここまで違うのかと驚いた。
たった2分を1本だけの乱取りだったが、仕掛けた回数は、これまでとは雲泥の差であった。
良かったのは『支釣込足』だった。タイミングはほぼ合っていて、「うおっ!あぶない。」と声が漏れるほどに大きく崩せたものの粘られて投げきるには至らなかった。
それからこれも投げるには至らなかったが、流れの中で一回『空気投げ』を試みることができた。
狙って出たというより、出せそうだったので出したのだが、これも「うおっ、あぶない!」という声が漏れたので、入りと崩しは良かったのだと思う。
逆にこちらがやられたのは相手の右足が前にあるのに誘われて私が出した出足払いを見事に返される返し技だった。
餌に食いついちゃった感じですね。

それにしても充実したいい練習になった。

またお会いして練習出来れば嬉しい限りだ。

2015年10月13日火曜日

『飇拳(ひょうけん)』松聲館技法レポート(最新技速報)

メルマガ用の動画撮影のため松聲館へいってきた。

前回不参加だったKさんも今回は無事に参加できた。
前回できなかった剣術から、『霞突』などをやるが、Kさんが進歩していて、甲野先生の動きにかなり食らいついていた。
薙刀への対応も相当できるようになってきていて、先生も認めるほどになっていたのは驚いた。
しかしそうなるとそれに触発されて甲野先生も変わってくるので面白い。
Kさんに左籠手を装着してもらい、遠慮なく小手を打つと、宣言通りの小手が決まる。
「いつ打つかは自分にも知らせない。」というその剣先は、横から見ても自然に小手に向かう軌跡を描いていた。
『影抜き』のように急速な変化によるものではなく、徹底的に気配をなくすことによる効果のようだ。



この日は飇拳(ひょうけん。飆の字は正しくは左に風で右に火の字を3つ)の効果が思いがけない形で現れてきた。
私とKさんで『鎌柄(かまつか)』と呼んでいる(正式名称かどうかは不明)稽古をしていると、先生が私の動きを受けてくれるという。
『鎌柄』のやり方は、お互いに片手を前にだし(通常右手か左手どうし)、一方が指先を相手の甲に触れたところから始める。
甲に触れられた側は、相手の手首あたりを掴もうと試み、甲に触れている側はそれをから逃げるというものだ。


避けるポイントは徹底した気配読みと無駄の無い動き。
掴むポイントは徹底した気配消しと無駄の無い動き。


これは遊び要素が多いながらも、お互いに気配の出た場所を教えあったりして、やればやるほど速くなるので、ついついハマってしまう。
私も一時期はこればかりやっていたこともあった。
それだけに多少の自信と実績もあったのだが、今回甲野先生にやられた避けられかたにはショックを受けた。
こちらが掴む番で、完全に空振りさせられてしまうのだ。
このようなことは動きの速い人が集まるつくば稽古会でやったときも起きなかったことだ。
伝わりにくいのを承知で書くと、私が掴む動きをしようとして実際に動き始めるまでの僅かな時間に先生は避け始めている。
私はすでに避けられつつあるのを見てはいるのだが、もう掴む動作に入っていて、わかっていても止められないのだ。
フライングで避け始めたところにたまたまタイミングが合ったのとは、避けられたときの感触が全く違う。
これがショックだった。


これを先生は『飇拳』でやっている。
先生も不思議だったようだが、頭を介さないで動くので説明のしようがないようだった。


ここからまた、柔道で襟を掴まれそうなところを、その腕を払いつつ懐に入る動きや、ボクシングのジャブを捉えて相手との距離を詰める動きなどに応用されていった。
先日恵比寿でやったときの『払えない突き』は、『謙譲の美徳』効果をだすのに相手の動きに合わせる必要があったというが、今回のは我々以外の方が受けた場合にどうなるだろうか、今後も見逃せない。



途中、『鎌柄』以外にもKさんと稽古をした。
Kさんは先日集中してやった以降も、座り稽古を研究されていていくつか形を紹介してくれた。
私は柔道の組手で一気に有利な状況に持っていく入りかたを『払えない突き』と『謙譲の美徳』でやるというのを受けてもらった。
そもそもこれが『鎌柄』の稽古をやるきっかけだったのだけれど、気配なく相手の襟、袖を掴み、触れた瞬間働く『謙譲の美徳』効果によりかなりの確率で有利な状況に持っていくことができた。
今回はこちら側からだけ掴みにいく条件で試したかっこうになったが、今後はお互い隙あらば掴むという状況でもでるように研究を進めていきたい。
これがうまく出来るようになれば、一気に相手を後方に押しやりながら間合いを詰めて、『小内刈』なり『大内刈』なりに入ればかなり有利な状況になる。
私の場合、柔道の練習量が少ないので間合いを詰めた後が最大の課題だ。


最後に私の話になってしまったが、話を戻すと甲野先生の『飇拳』による反応は是非一度体験していただきたい。

2015年10月11日日曜日

柔道練習47回目『打ち込み』

子供達の練習後、黒帯のパパさんを相手に少しだけ打ち込み

大外刈
足を前に大きく伸ばすことの意味。
見た目には刈る前に足をあげる必然性がわからないかもしれない。
知らなければそう見えることもあると思うが、受けてみれば違いがわかる。
やばいと感じても止めようがない状態にまで持っていく動きだ。
足をあげる動きで相手の体は宙に浮き始める。浮いた体の足元を刈るので相手が回転する。
かつて木村政彦が相手を脳震とうで気絶させていたという形とは少しやり方が違うが、宙に浮かされてから回転した勢いで頭を打ち付けられたら、ただではすまない。


足技
小外掛け
膠着状態から一気に間合いをつめて押し倒す形まで持っていって掛ける。
大内も小内もなかなか相手の懐に飛び込むのは難しいが、外側から掛ける小外の形だと比較的入りやすい。
ポイントは一気に間合いをつめて、抱きつくくらい相手にくっつくこと。



タイミングをはかる練習。
足払い
相手と同じリズムで動いていては掛けるタイミングを失う。
相手の左右への動きを感じとり、後から動く足を払う。こちらから仕掛ける場合は、左右への動きを誘導しながら相手の動きを感じとり、一緒に動いてくるようであれば、左右の切り替えでタイミングを早めて相手の足を払う。


支釣込足
体を捻って相手を螺旋状に崩し投げる。
足技だが動きの質としては、足を出さなくても相手が崩れるように動く。



技の原理や仕組みへの理解ばかりが進んで、実践練習ができていない。
バランスが悪すぎて気持ちが悪いので、思った通りに動ける練習がしたい。
前からいっていることだが、打ち込み、投げ込み、乱取り練習が必要だ。

2015年10月7日水曜日

体幹部の働きで手裏剣を打つ

Oさんのご好意で貸していただいている人形町の稽古場で棒手裏剣の稽古をした。

棒手裏剣は甲野善紀先生が得意としていて、私が棒手裏剣を知ったのは甲野先生がきっかけだった。
体を練るのにいいのと、何より面白いので練習を続けている。


先日Oさんが一人で手裏剣稽古をしていて、普段やっている剣術や中国武術の構えをヒントに手裏剣に取り組んだところ、刺さり方が変わったと言う。
早速拝見すると、前回見たときとは随分と雰囲気が変わっていた。
動きを見ても手裏剣に質量と重心移動の力が載っている。

Oさんにも言ったが、剣術で手裏剣が変わると、次に手裏剣で剣術が変わると言う循環が始まる。
こうなるともうどちらもやめられない。
私の場合は剣術をやらないので体術でこれが起きる。これが面白い。

用事でOさんがいなくなった後は私の一人稽古。
左を練習しようと予定していたが、Oさんから聞いた剣術の立木打ちの説明で私の広背筋がピクリと反応していた。
先日の重さをのせるスクワットからの流れもあるので、姿勢から丁寧にやってみることにした。

構造動作トレーニングの基本ポーズから、広背筋の収縮が解けないように(背中が抜けないように)手裏剣を構える。
ここからさらに丁寧に取り組まなくてはならない。
手裏剣を打つ動作中も背中が抜けないようにする。肘を無造作に伸ばすと簡単に背中が抜けてしまう。
少なくとも剣が離れるまでは死守する必要がある。
何度かやっていくうちに、腕の振りは以前に比べて小さくなり、剣の飛びは良くなってきた。腕を振りすぎると背中が抜けるのでそうならないようにしていたら自然と変わってきたのだ。

この打ち方は軌跡も安定してくるので、狙うのにも適しているようだ。
二間の距離では刺さらないことはなくなり、普段はあえてやらないようにしているが、的を狙うとそこに手裏剣が集まりやすくなった。

それならば左もと言うわけで当初の予定通り左の練習もはじめた。
同じアプローチで取り組んでみるとこちらも刺さり方が良い。
距離に関係なく、背中が抜けないことに気を付けて打つので、基本的に同じ感覚で打てる。
結局この日は、右は三間(この稽古場でとれる最大距離で6m弱)、左は二間で、手裏剣が刺さらないということはほぼなくなるところまでになった。


広背筋、広背筋と大きいながらも部分的な筋肉に着目して説明しているので誤解を招いているかもしれない。
体幹部の力が働く姿勢をとることがポイントであって、広背筋はそのときに気を付けるチェックポイントの一つにすぎない。
そもそも手裏剣をやっている人が少ないので影響は無いと思うが、この記事を見て他のスポーツに応用するときに広背筋の筋トレに取り組むのは間違えであるところに注意してほしい(そもそも該当者はいないと思うが)。

体幹部が働く姿勢が取れること。
その姿勢が取れているかどうかを自分でわかるようにすること。
広背筋はチェックポイントの1つ。

 具体的なトレーニング方法は、中村考宏先生の書籍や構造動作トレーニングセミナーでご確認ください。

2015年10月4日日曜日

釣りと柔道(実践)

乱取りでは足技と手技が少し出た程度だったが、仕掛けるタイミングを逃しては技に入ることもできないということをあらためて痛感した。

そのリベンジではないが、練習後は娘とともにはまっている釣りに出掛けた。
釣りも柔道と同様、仕掛けるタイミングを逃してはならない。

結果は上々。
これまでの釣果が嘘のように釣れた。
二時間で二人あわせて16匹というのは新記録だ。
釣り堀を管理しているおじさんにも、「うまいですねー!」と言ってもらえたのが上達の目安になる。
回りをよく見ると常連の方以外はそれほど釣れていない様子だったから、悪いコンディションで新記録を出したことになる。


柔道も釣りと同じくらい練習できれば上達できるのだろうか?

柔道練習(46回目)乱取り1分

乱取り練習ができた。
黒帯のパパさんが風邪気味にもかかわらず子供たちの練習後に私の練習につきあってくれたのだ。

背負い投げの打ち込み少々と、動きながら投げるタイミングをはかる練習。
最後に乱取り一分を一本。

背負い投げのタイミングは、後ろに下がる相手が前に方向を変える一瞬に掛けるか、あるいは返し技を覚悟で相手を背負い投げに入れるところまで追い込んでいき、掛ける方法を教わったが、実践は難しかった。

乱取りでは、技が出せない病は徐々に解消されつつあることが確認できたが、技を掛けきることは出来なかった。
チャレンジで掛けると返されて投げられる。
一分少しの間に壁際で止めてもらった腰技を入れて三回投げられた。
私も技を出せたが、担ぎ系には入らせてもらえず、足技が何度か出た程度。
その中でよかったのは『小外掛け』で、畳につくところまで持っていくことができた。
体力はあっという間になくなるし、良いところを取られた後は、組み手を戻せないしで、先手必勝で動かないと技を出せずに終わってしまうのは間違い無さそうだった。


もっと動けるように練習したい。

2015年10月2日金曜日

スワイジャオと柔道

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。
いつもより遅くなったが、W氏によるスワイジャオ(シュワイジャオ)の形の紹介を全36本(?)の1本目からしてくださることになった。
10本目以上まで進んだのですべてを思い出せないのだけれど、柔道技の大きなヒントになる印象深い形がいくつかあったので、書いておきたい。



相手の脇に腕を差し込んで肩を決める形にロックさせ体を回転させて投げる形は、後に出てくる様々な形に通じる質の変化が求められるものだった。
それは、腕はあるだけで働くので、積極的に使わないという感覚。うまくいったときの感覚は本当になにもしていないかのよう。


スワイジャオの形で理解が深まった柔道技。
支釣込足
これが質を変える動きが求められるもの。
腕が余計なことをしなければ体の動きは相手に伝わる。
体の回転と足を出すのを同時に行う。


大外刈
腰の回り。相手の腰の回りを擦るようなくらいの距離感で腰の位置を相手の腰の向こうに移動させる。
腰の動きに足がついてくるようにして大外刈にはいる。技の最終形が近いのは大外落だが、入るところは大外刈。


大内刈
相手の左足に重心をかける方向に向かって近づき足を踏み入れる。
踏み入れてから、形では手を右後ろ方向に回しつつ膝を曲げて足裏を向けて上げた足裏にタッチしつつ270度ほど回転する。
この感覚のまま大内刈では、回転しつつ足をかけながら釣り手を足裏に向かって落とす。
これは本当に凄い。


小外掛
相手のふくらはぎから膝裏に向かって足裏を刷りあげつつ股関節と膝を曲げて相手の足を外から内に払う。
この投げのポイントは、刷りあげる足に自分の体重を預けない点にある。


釣込腰
英語でhip-throwは、柔道では腰技全般をさす。
スワイジャオでは釣込腰に近い形での投げをさすようだった。


大腰
手を積極的に働かせない感覚での大腰はいままでよりもスムーズに投げにはいれる感触がした。


いやー、面白かった。
投げの形はよく考えられていると感じた。
Wさんはこれを世界的に有名な尤中武(ユウ・チュウブ)氏から、動きを一切直接指導を受けることなく、見学のみで盗んだという。
しかも普段対人で稽古しているわけではないので、我々に紹介している動きはほぼ初めてやるものばかりだそうだ。
驚くべき形の力とも言えるが、形を効果のある形で再現できるほどに独学で研究する姿勢に驚かされる。


柔道技の観点からの私の感想はWさんのスワイジャオの研究の一助になったりならなかったり、しているようだ。
少しでもお役にたてれば幸いだ。


投げの研究は実に面白い。

2015年10月1日木曜日

筋トレの感覚変化『超!楽な腹筋運動』

月一回、『松聲館の今を稽古する』と題される甲野先生の稽古会が恵比寿で開催されている。

腹筋と腕立てが一気に楽になった。
今まできつかったのは、やり方が下手だったのだ。
どう楽になったのかも書くがその前に『空気投げ』についてかいておこう。


『空気投げ』
相手の足が継げないように投げるにはどうすればよいか。
Sさんが受けた感触によれば、引き手のみで投げるくらいのほうが、抵抗なく投げられるという。
釣り手が働きすぎるとそれに対して反応できてしまうようだ。
引き手のみで投げると言っても、腕力で振り回すのではない。
相手との繋がりを保ったまま動くということだ。引き手も余計な働きをしてはならない。ここがポイントだ。
速度が上がっても質を変えてはならない。


足の飆拳』で動く
『足の飆拳』で技を止める効果は確かめているが、何とかして技をかけるときにも有効にならないかと考えている。
陥りやすい過ちは、自分が丈夫になったからといって、雑に動いていいという訳ではないということ。
気を付けるべきは、丈夫になると雑に動いても間に合う場面が増えてしまうところだろう。
柔らかさは追求したい。
Sさんいわく今の動きでは沈む動きが難しそうだという。
左手を介した繋がりと落としに沈みでついていく意識で稽古していると
『飆拳』をかけたまま動けるようになってきた。
柔らかさは身に付けたい。

順番が前後するが終了後に到着した韓氏意拳のUさんから貴重なアドバイスをいただいた。
まるで私の悩んでいる課題を知っていたかのように、私の動きの強さとそこを取られたときの弱さについて指摘され、自分の体を足元から引き上げる状態が大切な点について、動きを通して伝えていただいた。
Uさんの動きに触れると、丈夫にしたつもりの私の体が、ひょいと持ち上げられて前後にシェイクされるように簡単に動かされてしまう。
まさしく衝撃的な感覚だったが、
『足の飆拳』をかけたまま動きたいという私の課題をクリアするために必要な質的転換はこの方向なのではと思わされた。


さて腹筋が超!楽になった話をしよう。
甲野先生が紐トレの紹介をしてくれたのだが、その内の1つが足に輪をかけて腹筋をするというものだった。
このメニューの説明は省くがやってみると自分がお椀になったかのように、足をあげて下げると頭が上がるようになる。
紐なしでこの楽な感じが残せないかと思い、何度か紐ありで繰り返し、動作を体に刻み込んだ。
そうしているうちに感覚変化が訪れた。
それは、腹筋は上体を上に持ち上げる動作ではなく、重心を頭から足に向かって移動させる動作だという感覚。
これならば足を上げなくても起き上がれそうだと思えた。
さっそく紐なしで試してみると、これまでとは全く違い腹筋運動で感じるキツさが無いと言っていいほど、楽に起き上がれるようになっていた。
何回でもやっていられそうな気すらしてくる。
続いて擦りあげとも呼ばれる柔道式の腕立て伏せが楽にならないか、と言うと甲野先生がたすき掛けに紐を結んでくれた。これはきつめにやったほうが効果が高かった。
これで擦りあげをすると、驚いたことにこれも楽に感じた。
広背筋の収縮が働きやすくなり、上体が無理なく立ち上がってくる。
一番きついところを軽くしてくれるのでこの変化を感じた人は驚くと思う。
これも紐をつけたまま何度か繰り返して動作の感覚を体に刻み込んでから紐なしでやってみたところ、嬉しいことに再現することができた。
これで柔道練習できつく感じていた筋トレメニューがずいぶん楽になりそうだ。
筋肉はつきにくくなりそうですけどね。