代官山『晴れたら空に豆まいて』甲野善紀セミナー

代官山にある『晴れたら空に豆まいて』は畳敷のイベント会場で、そこではアーティストのライブや演奏会などが開かれている。
ここでは二回目となる甲野先生のセミナーが開催され、私は今回アシスタントとして参加した。



畳の会場は、自分がいる場所も時間も忘れてしまうような空間で、実際、懇親会に参加していて、気がついたら終電を逃してしまっていた。
居心地がいい。



セミナーは、参加者の皆さんが様子をうかがっていたような序盤から、中盤、後半になるにつれて質問や技のリクエストが止まらなくなった。
セミナーが終わってもなお質問が続いていたので、なかなか懇親会が始まらなかったが、主催者のMさんが何度か声をかけてようやく始まった。




セミナー中、私はアシスタントとして先生の技を受けたり、手の内が見えにくい位置にいる参加者のかたに個別に説明してまわったりしていた。
懇親会でもますます技への興味を持たれたかたに、わかる範囲で技の原理を説明しつつ、稽古法を紹介してその場で動きを試してもらったが、甲野先生の技を目の前で見て体験して、みなさんとても興味を持たれていた。
私もわかる範囲でアドバイスをしたところ、面白がってもらえてアシスタントにきたかいがあった。



『辰巳返し』をその場で出来るようになる教えかたは、以前からうまくいっていたが今回もうまくいった。また、最近よく質問される『浮木の腿』も、伝わりやすい教えかたがわかってきた。
次の順番でやっていくと、伝わりやすいようだ。
1.重心側から動いて前に進む体験
2.『膝抜き』と『浮木の腿』の違い
3.一歩歩きながら『浮木の腿』をかける
4.その場で『浮木の腿』をかける
特に3で、歩いていて足裏を着地する寸前に、画鋲が敷き詰めてあることに気づいたとか、ひよこがいることに気づいたとか、
全身を使ってそれを踏まないようにする動きをイメージによって引き出してあげると、結果として股関節も働いて、『浮木の腿』の感覚を掴みやすくなることが確認できた。


最新のDVDのタイトルにもなっていて、様々な動きに内在している、重心側から動く『浮木の腿』は、見ているだけでは何をしているのかわからない。
自分の感覚で理解するしかないが、合っているかどうかわからなければ理解しようがない。
今回確認できた手順は、その感覚を掴む近道になるようだ。



今回は場所のせいか、女性とアーティストの比率が高かったようだ。
スポーツや格闘技をされている方とは違った反応がみられて興味深かった。
とくに甲野先生の『払えない突き』を「申し訳なくて払う気になれない。」とおっしゃっていたかたは只者ではない雰囲気だったが、帰り道、そのかたのもとで学ばれているという参加者のかたからうかがった話によれば、どうやらその道では著名なかたのようだった。

只者ではない人はやはり只者ではない。


晴れたら空に豆まいて

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