新しい手の内

『松聲館の今を稽古する』と題された恵比寿での甲野先生の講座に参加した。


甲野先生の『払えない突き』を払う。
こちらも体が変わってきているのだろう、構造的には崩されなくなっていたが、相変わらず先生の早さには対応できない。
気がついたら先生の突きが抜けている。
これではいくら構造的に丈夫でも単に鈍いだけにしかならない。



座り『正面の対応』では立ち技よりもよかった。重心を落とし続けられていたように思う。
後で先生に「たいさんもだいぶ腹が出来てきましたね。」と言われたので先生が感じた私の感触もそうだったのだろう。
これが「腹が出てきましたね。」だったらまるで意味が変わってしまうが、そんな冗談は言わないので腹が出来てきたのだと思う。


しかしこれも、先生が出どころのわからない力を、大きく瞬間的に働かせてくると足元から浮かされてしまって、抵抗できない。



自分のことばかり書いてしまっているが、先生の変化は見逃せない。

剣先を合わせたところから、鍔ぜりにならずに相手の剣を一方的に落とす技。
それから『浪之上』『浪之下』だった。
どちらも手の内に秘密があるようだ。


また、『太刀奪り』はちょっとこれまでにない速さになっていた。
ほとんど振りかぶらずに剣を打ち下ろしても避けられるとは、先生主導でこちらに剣を振らせる技術があることを差し引いても、体幹部が相当速く動けるということだ。

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