釣りで学ぶ『誘いと機』

最近の週末は娘と一緒に釣り堀に通っている。
餌をつけて糸を垂らす、シンプルな浮き釣りで鯉を狙う。
浮き釣りでは、浮きの反応を見て竿を素早くあげるいわゆる『あわせ』で針を魚に掛ける必要があるが、このタイミングがなかなかシビアな時がある。
浮きが少し反応した程度では、まだ魚が餌をつついている程度で、あわせても針は掛からない。浮きが完全に沈んだところであわせる必要があるが、遅すぎると餌を吐き出されてしまっていて掛からない。

このタイミングが魚の調子によっては非常に厳しい時がある。
ピクピクと浮きが反応しているが、沈みそうで沈まない状態が続いたと思ったら、一瞬深く沈んですぐに浮いてきたり、ゆっくりと沈んであわせるタイミングを失ったり、そうこうしているうちに餌が無くなっている。

それでは今度は早めに反応してやろうと待ち構えていても今度は無反応だったりして、こちらの集中を乱される。


先日、常連の釣り師があるテクニックを使っていることに気がついた。
うまくいくとあわせるタイミングをこちらである程度構えることが出来そうだ。
そのテクニックとは『誘い』と呼ばれ、ここで餌に食らいつくはず!という状況をこちらから作り出すことで、機をとらえる確率をあげる。


具体的には餌を落として着底した直後、あるいは落とした後で動かして浮かせ、再び着底した直後のタイミングを狙う。
餌が底に着くタイミングは予測ができるから、その直後にくる合わせのタイミングに集中すればいい。



柔道でも誘いからの仕掛けは有効だ。
やみくもに仕掛けるのではなく、相手の反応を誘って技に入る。
例えば背負い投げが得意なら、相手がこちらを押し込んでくるような動きを取ったときに入りやすいのだから、そうなるように仕向ければよい。
誘い通り動いてくれたらしめたもの、合わせればいい。


釣りもなかなか勉強になる。

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