サッカーで使う『謙譲の美徳』肩で相手を飛ばす

東京武道館の会場につくと先生を囲む輪ができていた。
いつもの光景だ。


唯一ここでは、私は受講者でありながらスタッフ扱いでもあるので、より積極的に参加された方々の反応を見ながら教えるように意識している。
最近は講座中に、甲野先生が私に声をかけて『辰巳返し』や『謙譲の美徳』の受けをとりながら参加者の皆さんに紹介して下さるおかげで、私が怪しいものではないと思っていただけるのか、参加者から質問されることもあるのでやりやすい。

動きを小さくして、より技っぽく見えるようにするには練習が必要なものの、『辰巳返し』と『謙譲の美徳』は初めてのかたでもできるようになる教えかたが確立できてきた。
この日も三名のかたがその場でできるようになって、感触と効果のギャップに驚かれていた。


サッカーの指導にいかしたいと参加されているかたの疑問に答えるため、ポジション争いの形で肩の接触による『謙譲の美徳』を試したところ、腕の場合と同じように相手を飛ばすことができた。
私はできたがこれを誰でもすぐにできるようにさせるのは、まだ難しそうだ。
感覚を掴めればできるはずだが、見た目の不思議さが習得の妨げになってしまうように思う。
まずは手をのばす形で感覚を養うのがよいだろう。
元サッカー青年としての視点からみても、この技を身に付けるとかなり有利になるのではないかと思う。
コーナーキックでのポジション争いに使えば相手を弾き飛ばす事ができる。
もう少し色々な形で検証稽古してみたくなってきた。



甲野先生は先日気づいた最新の動きである『水面走り』を紹介されていた。
これは何とかして身に付けたいので見よう見まねで試すが、私がやると自分で自分にブレーキをかけながら動いてしまっているのを強く感じる。
『水面走り』の名の通り、水面においた片足が沈む前にもう片方の足を運ぶような感覚が必要なはずだ。


講座終了後、韓氏意拳のUさんが甲野先生と稽古されていたが、Uさんのテンションが上がりまくっていたのが印象的だった。
動きの変わった甲野先生との交流が楽しくて仕方がない感じが動きから溢れ出ていた。

甲野先生もそうだが、Uさんのあの動きの前には立ちたくないなぁ(もちろん稽古ならむしろ立たせてもらいたいですが)。

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