武術と奇術

綾瀬にある東京武道館で甲野先生とマジシャンの永田さんとのコラボ講座あった。

遅れて到着したので、永田さんのトランプマジックは見逃してしまったが、鍵を使ったマジックを目の前で見せてもらえた。

手のひらにいかにも錠前の鍵といった少し大きめの鍵を置き、手のひら以外は鍵に触れない条件で鍵が勝手に動き出す。
手のひらを傾けて転がしたのではない。



思わず「何これ?」と声を出してしまった。
すごいものを見せてもらえたと思っていたら、私にもできるという。


やり方を聞くと、鍵に仕掛けがあるわけではなく、『できると思ってやる』のがやり方なのだという。
じっさいやってみたら出来たのでこっちのほうが驚いた。



この手品には仕掛けがあるのかないのか、甲野先生がコラボ企画を立てたのもうなづける面白さだ。


講座後、永田さんに『空気投げ』を受けてもらっていたところ、興味を持った参加者のかたにもリクエストされた。
簡単に説明しながらゆっくりと試してみたが、危なくないまま投げつつ、空気投げならではの感触も味わってもらうことができた。


うまくいった。
色々なタイプの人に受けてもらうのはよい練習になる。



永田さんとは『雪庇落し』と、座り技でやる『謙譲の美徳』も練習した。
『雪庇落し』は相手がつかんでいる釣り手側の襟を、遊びをとるように張りながら捨て身を掛ける技だが、普通にやればなにも起きない。自分がしゃがんでしまうだけだ。
相手の反応を遅らせるには、襟に張りを持たせる動きの始まりから終わりと、捨て身を掛ける動作の始まりから終わりが一致すればよい。


座りでやる『謙譲の美徳』はうまく相手に伝わると相手が後ろ方向に吹っ飛ぶ。
座りでやるのは難しいのか私が受けて後ろに吹っ飛ぶことはほとんどない。
永田さんも作用はしていて、上半身は後ろに倒されるが、吹っ飛ぶところまでいかない。
『あとは永田さんの足が後ろに飛ばされる感覚が出れば。』
とアドバイスをした直後に吹っ飛ばされた。
ここまでアドバイス通りにやってもらえるとは思わなかったのと、自分ではやっておきながら受けたときの威力に驚いた。
『謙譲の美徳』はやっても面白いが受けても面白いんですね。


『一流のマジシャンは一流のマジシャンを演じきる。』
と言われるらしいが、マジックの腕前同様、体の使い方にも彼の能力の高さがうかがえた。
帰り道に自己催眠のかけ方と解き方を教わって試してみたりと想像以上に刺激的な講座だった。



出来るようになった技は出来ると思って使ってみることですね。
柔道でいつもの稽古ように動けないのは、自分にブレーキがかかっているせいのように思えます。


講座では甲野先生に『辰巳返し』と『謙譲の美徳』を練習したい人はこちら、のように紹介されて、興味のあるかたにやり方を説明した。
ほぼ例外なくそれなりに出来るようになってもらえるので、教えかたもこなれてきたようだ。

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