松聲館技法レポート『唯カイナ計リヲ遣ウ事ソ』

夜間飛行から発刊中の甲野先生のメルマガ向け動画撮影に今年初めて松聲館へ行ってきた。

甲野先生から昨年末に大きな気付きがあったと聞いていて、先だってその技を受けた松聲館技法研究員で柔道有段者でもある小磯さんからの事前情報で、『何もできなかった』とも聞かされていたので、どんな撮影になるのかと楽しみにしていた。

実際受けてみると、本当に何もできなかった。

願立剣術物語 第十一段目
『惣テ太刀先ヨリ動事ナシ 唯カイナ計ヲ遣事ソ』

この教えに従って動いていて、上腕を棒手裏剣に見立て、直打法で飛ばすように使うのだという。
技を受けた感触は、気配なく動いていて、こちらの対応が間に合わない。
接触面から情報が伝わってこないので、反応できないままやられてしまうようだった。

柔道技への応用も興味深く、『小外刈』の形に近いが受けた感触は『大外落』に近い甲野先生オリジナルの技や、
『空気投げ』の『渦落』の形で、引き手を掴むのではなく手の甲を相手の肘下に添えるようにして『直打法』で上腕を飛ばすように使って差し込み、それに連れて『太刀奪り』の体捌きで左半身になりつつ、体の落下で釣り手側を引き落とすと相手が転がる投げなど身につければ強力な技だった。

この日は他にも甲野先生が『これが技で表現できたら大きく変わる』と言われる話を聞いたが、話だけではなんの事だか想像もつかない。
技になるのを楽しみにしておこう。


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