甲野先生と女子サッカーのM選手

久しぶりに参加出来た東京武道館での甲野先生の講習会。

私にしては珍しく、かなり早めに会場についたのだが、いつも直前に来られている甲野先生がすでに数名と稽古されていた。
『田島さん、着替えてきてください。』
と私に気づいた先生から声をかけられた。

稽古されていたのは女子サッカー選手(Mさん)だった。

Mさんと先生とのやり取りは面白く、見ごたえがあった。
具体的には、高いボールの競り合いや、キープされているボール奪う、向かい合う相手をすり抜ける、ユニフォームを掴まれた場面での対処を紹介されていた。

講習会はいつも通り始まったが、先生がMさんに私を紹介してくださった事もあって、Mさんが新しい動きを先生から仕入れては私に確認しにくるという流れが出来ていた。
動きの確認のための相手もさせてもらったが、のみ込みが早く、ボールキープの場面では『謙譲の美徳』と『浮木之腿』を使ったMさんに吹っ飛ばされてしまった。
Mさんの取材で同行されていた方が、私の(先生の技の)翻訳がわかりやすいとほめてくださったが、わかりやすいと言うことは、わからない部分の情報が抜けてしまっているとも言える。
私のレベルでわかる範囲だけしか教えられないのだとお伝えした。

サッカーの上達が目的だけれども、甲野先生からサッカーを学びに来たわけではない。
動きの選択肢を拡げるため、未知の動きに触れるために来たのだ。
Mさんはこのあたりもよく考えられていて、動きを学ぶことと、それをサッカーにどう活かすかは別の話で、先生から得られるのは前者だと意識されていた。
Mさんのサッカーに対する真摯な姿勢に、こちらの姿勢が正される思いがした。

稽古とは関係ないが、稽古の後に先生とMさんらとの食事で、わたしがビールとかき氷を注文したのが、Mさんのツボにハマったようだった。

応援する選手が増えた。
これからの活躍が楽しみです。

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