水天宮稽古

水天宮道場(仮)での稽古。 
遅れて到着すると、K山さん、I上さんとM会のK女史が稽古中。 

ここの稽古は毎回濃い。 
例えば剣術を私がK山さんに教わりながら、I上さんが私の動きをみて気づいた点を話す。これをお互いにやりあいながら動きが変わっていくという好循環。K女史は3人から指摘されるw 

■小太刀 
基本的に片手で扱うというのも初めて知った。 
私は武術知っている人なら基本的な事を知らないのだが、それについてたまに驚かれることがある。 
甲野先生の話に出てくれば覚えていたりもするが、武術の知識的な部分はなかなか覚えられない。 
甲野先生の話でさえ、覚えられないのだから稽古でお会いした方に色々話をしていただいても(もちろん聞いているつもりだが)全然頭に入らない。ただ、少しでも身体に触れたり技を受けたりしながらだととたんに忘れにくくなる。私の記憶装置は頭ではなく身体にあるようだ。 

太極拳が単なる健康体操ではないということや、陳式とか呉式とかに分かれていることも稽古を始めてだいぶ経ってから知ったし、今ではさすがに違うが中国拳法=少林寺orジャッキー・チェンだと漠然と思っていた。 
これは私に同意してくれる人も多いと思うが、実はカンフーという武術は無いなんて知らなかった(カンフーとは功夫(クンフー)と書き、鍛錬を重ねて身についた心や体の状態を指す言葉らしい)。 

・斬り結び 
右手で斬り結ぶとき、左手の状態によって大きく効果が変わる。『斬り』の動きが出れば相手とぶつからずに動ける。 
この感覚を掴んでおくと両手で剣を持ったときの動きも変わる。というより、斬りの感覚で動くものなのだろう。 
やっている実感はないが、これはすごい。 

・入れ替わる 
太刀奪りの体捌きも使いながら相手と入れ替わるようにして、首や小手を斬る。 
相手がそこにいるとどうも斬る動きにならない。 
これは稽古で修正していくしかない。 

・入る 
小太刀の背で相手の得物に触れて、自分の正中線を守る。そのまま相手に入っていく。 
蹴らずに動くこと、小太刀が進めば自分も進む。 


■太刀奪り 
方条さんに教わった稽古法で体幹部の動きを引き出してからやってみるとその場で動きが変わる。 
無駄な動きがそぎ落とされるようだ。 

○ 

普段体術の稽古をやらないというK女史に、半身動作研究会の稽古を紹介する。 
スポーツに熱心な彼女はこれまでは力で乗り切ってきたと言われるが、確かに力みやすい(誰でも大抵そうですけど)。 


■正面押し@座り、壁立ち 
この稽古を行うと、"力み"に動きを邪魔されることが良くわかる。 

■手を伸ばす 
相手と横にならび、相手の肩を押す。 
このとき相手に寄りかからずにただ手を伸ばす。 

踏ん張る相手ほど軽く動く。 
相手が踏ん張っているのが伝わってくると、対抗して踏ん張りたくなるが、それには誘われないようにする。 
はじめのうちは難しいが、そのために稽古をするのだから出来なくても気にしないで上手く出来ない自分の身体を面白がっていれば良い。 

■踏ん張らない@足 
これは半身動作研究会ではなく、八光流の稽古で教わった形。確か名前がついていて「引き落とし」か「引き投げ」だったと思う。 
相手の手を下に引っ張るだけの単純な形で、足で踏ん張っている状態と踏ん張らない状態の違いを体験してもらう。 
前者では引っ張られないように耐えることが出来るが、後者は耐える間もなく崩れてしまう。 
「何でなんですか?すごく重たいです。」 
不思議に感じると思うが、やっている方の感覚は逆で、前者は重く、後者は軽い。 
ここでも「踏ん張っている人は軽いんですよ。」と説明したが、力に頼るくせが強いほどすぐに納得できる感覚ではない。 

K女史は、確かに力むくせもあるが、素直に動ける部分もありK女史が「本当ですか?!」と言われるくらい簡単に崩されることもしばしば。 
興味を持って続けられているようなので先が楽しみです。 

○ 

■人間ジャッキ 
I上さんが気づいたという身体の使い方での人間ジャッキ。 
真上にぶわっと上がってくる感じ。 
辰巳返しの身体の使い方に通じるものがあり、面白い。 
気づきたてというせいもあると思うが、正面の斬りに応用してみると溜めが気配となって伝わってくる。 

■辰巳返し@両手版 
K山さんのを受ける。 
以前は前のめりになっていた重心が、あるべきところに落ち着いてきたよう。 
ずいぶんとスムーズに動いている。 
次は片手ですね。 

■ぶつからない動き 
半身動作研究会の皮膚の稽古、接触の技法、触れない技法。 
骨格構造にしたがって力まずに動くとぶつからない。 
など、色々なメニューで稽古した。 
この”ぶつからない”感覚がK山さんにヒットしている。 
この感覚は面白い。私のお気に入り、八光流の広沢先生から教わった例の宴会芸(腕相撲で負けたところから相手の身体ごとひっくり返すやつ)も、相手がひっくり返るタネはぶつからない動きにある。 

■正座から立つ 
宴会芸化を目指して、座布団の上で練習(笑) 
まあまあ、確率が上がってきたぞっと。 
畳や床で出来るようになると、だいぶお披露目出来るようになってくる。 
自分で自分にこうご期待! 

コメント

匿名 さんのコメント…
今月の6月8日にコメントした者です。
お久しぶりです。
辰巳返しって、あの爆笑問題の二人を甲野さんが片手で持ち上げた技ですよね?
たい さんは組み技得意そうですね~(`-´;)
(勝手に)ボクも対抗して少し書きますね。
知ってるかも知れませんが、秘密ですよ・・・実は太極拳の動きは、「気」を全身に流れやすくする動きでもあるんですよ!

・・・つい熱くなってしまいました(^o^)\
では、稽古応援してますね~。
空気投げ研究家 さんの投稿…
いつもコメントありがとうございます!
辰巳返しはそうです、NHKの番組で太田さんと柔道の吉田さんが受けていた技です。
獣医師さんに、「気」の治療を受けた事があるので存在はわかるのですが、武術でいう「気」とはまた違うのでしょうか?「気」が全身に流れるとどうなるのでしょうか??(*_*;
知らないことが多すぎます(^^;;;
K(M会) さんのコメント…
たいさん、先日の水天宮では大変興味深い動きをたくさんご紹介していただき、ありがとうございました!
力みやすい癖を克服して楽に動ける身体作りをしていきたいな~と思っていますので、これからもどうぞよろしくお願いします(^^)
空気投げ研究家 さんの投稿…
こちらこそありがとうございました!
またよろしくお願いします(^^)